2001 Fiscal Year Annual Research Report
転座関連遺伝子および転写因子による細胞分化とがん化の分子機構
Project/Area Number |
12215167
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
瀬戸 加大 愛知県がんセンター, 研究所・遺伝子医療研究部, 部長 (80154665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 雅之 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50166823)
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Keywords | MALTリンパ腫 / MALT1 / API2 / API2-MALT1 / GATA-1 / 転写因子 / 血球分化 / 小Maf群因子 |
Research Abstract |
瀬戸は転座関連遺伝子による細胞分化とがん化の分子機構について以下のことを明らかにした。 1)MALTリンパ腫におけるt(11;18)(q21;q21)転座に関与するAPI2-MALT1キメラ遺伝子の機能について、1)我々が見出した新規遺伝子MALT1はBCL10遺伝子と結合し、NF-kBを活性化すること、また、2)API2-MALT1キメラ蛋白は単独でNF-kBを活性化することを明らかにした。また、3)胃MALTリンパ腫において、15%程度にAPI2-MALT1キメラ遺伝子が関与することを明らかにし、かつ、4)それらは抗生物質によるH.pylori除菌療法に反応しないリンパ腫であることを明らかにした。 山本は転写因子による血液細胞の分化とがん化の制御機構について以下のことを明らかにした。 1)GATA-1変異体導入によるGATA-1遺伝子ノックダウン(GKD)マウスのレスキュー実験を行いGATA-1の各ドメインの機能的貢献について検討した。その結果、N端の転写活性化ドメインと、他因子との相互作用を担うN-terminal zinc fingerの個体における機能は、それぞれ胎児型、成人型造血において異なることが示唆された。2)GKDマウスのヘテロ変異体で高率に発症する白血病の病態を解明するためES細胞分化誘導実験を行った。その結果、GKD由来ES細胞は赤血球系への分化が障害されているのみならず増殖能が高く、GATA-1を完全に欠失した細胞で観察される細胞死は抑制されていた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 瀬戸加大: "MALTリンパ腫の病態"Annual Review 血液. 145-151 (2001)
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[Publications] 瀬戸加大 他: "B細胞リンパ腫遺伝子変異"最新医学社. 56. 132-140 (2001)
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[Publications] 瀬戸加大: "悪性リンパ腫の個性に基づいた診断と治療"Molecular Medicine. 38. 1120-1125 (2001)
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[Publications] 細川好孝: "MALTリンパ腫の分子機構"科学評論社. 43. 83-90 (2001)