2004 Fiscal Year Annual Research Report
マウスモデルに基づくヒト大腸癌転移形質のバイオインフォーマティックスによる解析
Project/Area Number |
12217025
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
入村 達郎 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (80092146)
|
Keywords | 肝転移モデル / 細胞周期 / 足場非依存的増殖 / 遣伝子発現解析 / p16ink4a / adkn2a / プロテオミックス / レクチンライブラリー / クラスター解析 |
Research Abstract |
肝臓に対する高転移性を指標にin vivoで5回選別されたマウス大腸癌細胞(SL1〜5細胞)の4回選別後の細胞(SL4)と親株(colon 38)における遺伝子発現の差異を接着条件及び非接着条件下で網羅的に解析した。接着条件下で両細胞の間で発現に大きな差のある遺伝子30個、接着条件と非接着条件を移した時にcolon 38においてのみ発現が変化する遺伝子270個を同定した。17遺伝子は両方に含まれ、この中にCdkn2aが見出された。その発現はcolon 38及びSL1〜2は高いが、SL3〜5では全く見られなかった。遺伝子サイレンシングの原因はDNAメチル化ではなく、遺伝子の欠損による可能性が高い。Cyclin D1の発現レベルがSL1〜5へ転移性と増殖性が高くなるのと併行して上昇した。colon 38とSL4の表面蛋白質の網羅的解析にレクチン結合性を組み合わせ、低転移性細胞にのみ存在するPNA結合性糖蛋白質と高転移性細胞のみに発現するMAH結合性糖蛋白質を複数同定した。これらの差異は、グリコシレーションによることが示唆された。MAHのループCを改変して作製したライブラリーを用いてcolon 38及びSL4を含む大腸癌細胞の表面のプロファイリングを行った。大腸癌細胞は他の細胞と異なるグループとしてクラスターされ、colon 38を含むクラスターとSL4と実験的に転移性が報告されているほとんどのヒト細胞を含むそれが形成された。
|
Research Products
(6 results)