2004 Fiscal Year Annual Research Report
臨床用遺伝子導入ベクター開発を目的としたコモンマーモセット前臨床動物系の確立
Project/Area Number |
12217027
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷 憲三朗 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (00183864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中崎 有恒 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (00346850)
曽田 泰 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00361618)
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Keywords | GM-CSF / 免疫遺伝子治療 / SEREX法 / cDNA発現ファージライブラリー / コモンマーモセット / 急性リンパ性白血病 / 成人T細胞性白血病 / LAM-PCR法 |
Research Abstract |
1)GM-CSF免疫遺伝子治療(GVAX)を受けた患者血清を用いたSEREX法による腎癌腫瘍抗原の同定:GVAX接種後臨床経過が良好な患者培養腎癌細胞と腎癌細胞株よりcDNA発現λファージライブラリーを構築し、同症例の治療後血清を用いたSEREX法で計28陽性プラークを得た。塩基配列決定の結果、13種類の既知遺伝子のC末端側部分配列が抗原としてクローン化されたことがわかった(内訳はtNASPが9、EKI1が5、PHFが3、vezatin、E2bが2個、その他各1個)。癌細胞cDNAアレイ解析結果ではtNASP遺伝子で、甲状腺を除くほぼ全ての臓器で癌組織での発現が多い傾向が見られ、卵巣、子宮、頸部、精巣、小腸の5つの臓器で癌組織において有意な差が認められた。しかし、その他のSEREX抗原に関しては特にどちらか一方に片寄っている傾向はなかった。またこれらのSEREX抗原はRT-PCR法によりほぼ全ての正常臓器に発現を認めた。一方患者抗体パネルを用いたウェスタンブロット解析結果から、GVAXを受け、最も臨床的効果を認めた患者の治療後血清で抗tNASPならびにTMF抗体価が有意に上昇しており、特に後者は癌患者全般の血清中でも増加を認めるという大変興味深い結果を得た。今後さらに検体数を増して確認をして行くことが必要であるが、今後の癌診断・治療研究への応用が期待される。 2)白血病モデルコモンマーモセット(CM)の作出:難治性の急性リンパ性白血病霊長類モデル作出を目的にp190タイプbcr/ablcDNA発現HIVベクターを作製し、CM自家末梢血幹細胞への遺伝子導入を行い、2頭のCMに自家移植し現在経過観察中である。同様にあと3頭への移植も行う予定である。白血病化の有無の観察およびLAM-CR法などでの経過観察を行う予定である。さらに成人T細胞性白血病モデル作出の準備も行っている。
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Research Products
(12 results)