2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12217127
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
上田 龍三 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20142169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 滋樹 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (80254283)
折戸 悦郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60204294)
吉川 和宏 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60109759)
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Keywords | 抗体療法 / 前臨床試験 / 分子標的療法 / ガングリオシド / 抗体リモデリング / 肝炎ウイルス / ケモカイン / MUM1 |
Research Abstract |
新たながんの診断と治療法開発に向けて、抗体技術を用いての前臨床試験をにらんで分子基盤に基づいた研究を推進した。B型肝炎による肝癌発症に関わる研究では、HBe抗原はPreC領域の変異と関連し、core promoter領域変異との病態の進展やgenotypeとの関連性を明らかにした。また、若年者肝癌発症のリスクに関わるHBVの組み換え配列を同定し、その血清診断への応用の基礎を築いた。肺小細胞癌においてガングリオシドGD2蛋白発現は癌細胞の増殖や浸潤性に関与し、抗GD2抗体はJNK/SAPKの活性化を介したカスペース活性依存性アポトーシスの誘導により抗腫瘍効果を発揮することを見出した。リンパ系腫瘍発症に関わる転写制御因子MUM1に関してはその下流分子としてケモカインであるMIG分子を見つけ、B細胞性慢性リンパ性白血病(B-CLL)細胞のうち50%がMIGを発現し、抗MIGあるいは抗CXCR3中和抗体を用いて腫瘍増殖抑制効果を見出し、あらたなリンパ系腫瘍における分子標的を同定した。抗体リモデリングでは、抗変異EGFレセプター抗体の単鎖抗体の作製に成功し、99mTc標識となり可能となり、脳内移植腫瘍に対し極めて高い集積性を確認し得た。また、細胞増殖に関わるp16inkの最小機能ドメインをp16ink欠損腫瘍細胞に導入し、明らかな細胞増殖阻害を確認、抗体分子の生細胞内での機能化に成功し、トランスポーターペプタイドの開発を推進した。ケモカインを標的とした抗体療法の開発では、成人T細胞性白血病を始めとしたT細胞性腫瘍においてCCR4分子が高頻度に発現し、独立した予後因子であるとともに腫瘍生物学的重要性に深く関わること、さらには低フコース化したCCR4抗体による強力な抗腫瘍効果をin vitroおよびin vivoで明らかにでき、早期臨床試験の基盤的研究を完遂する事ができた。
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Research Products
(7 results)