2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤によるP21/WAF1遺伝子誘導機構の解析
Project/Area Number |
12217128
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
曽和 義広 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (70315935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 敏行 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (20186993)
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Keywords | ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤 / p21 / WAF1 / プロモーター / Sp3 / 細胞周期 / 抗癌剤 / 転写抑制 / 転写活性化 |
Research Abstract |
以前の我々の研究により、p53の失活した癌細胞においてヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤はp53非依存的にp21/WAF1遺伝子を誘導することで増殖を抑制することが判明した。HDAC阻害剤によるp21/WAF1遺伝子の誘導機構は、そのプロモーター領域におけるSp1配列を介するもので、実際には、このSp1配列に結合している転写因子Sp3が介在していることも判明した。 そこで、今回の研究課題においては、このHDAC阻害剤によるSp3を介したp21/WAF1遺伝子発現誘導機構を更に詳細にするために、Sp3-HDAC間に存在することで、Sp3とHDACを含む複合体の形成に関与していると推測される因子の同定を行った。その結果、現在までに約20種の遺伝子をクローニングした。それら遺伝子のシークエンスの結果、その半数以上はGeneBankに登録されている既知の遺伝子であった。今後、それらクローニングされた遺伝子とSp3との結合性や、各種HDACとの結合性を検討すし、p21/WAF1遺伝子のHDACによる転写抑制及びHDAC阻害剤による転写活性化機構を明らかにする予定である。 またp21/WAF1遺伝子以外にも、HDAC阻害剤による細胞増殖抑制に関与する遺伝子があると考えられることから、それらを検討したところ、やはり細胞周期に作用する遺伝子がHDAC阻害剤処理により、誘導されることを確認した。更にその遺伝子のプロモーター領域における、HDAC阻害剤の作用を介在する反応配列を決定した。その配列は、従来報告されているHDAC阻害剤の標的配列として働くことが報告されている塩基配列とは異なるものであった。今後、この遺伝子プロモーター領域上に存在するHDAC阻害剤の作用を介在する反応配列に結合する因子の同定を予定している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sowa Y,Sakai T: "Butyrate ; as a model for "Gene-regulating chemoprevention and chemotherapy""BioFactors. 12. 283-287 (2000)
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[Publications] Huang L,Sowa Y,Sakai T,Pardee AB: "Activation of the p21WAF1/CIP1 promoter independent of p53 by the histone deacetylase inhinbitor suberoylanilide hydroxamic acid (SAHA) through the Sp1 sites"Oncogene . 19. 5712-5719 (2000)