2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12217142
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
島田 隆 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20125074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塙 秀樹 日本医科大学, 医学部, 助手 (10256977)
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Keywords | 遺伝子治療 / ウイルスベクター / HIVベクター / 挿入変異 / 血管新生 / リンパ腫 / 多発性骨髄腫 / 膵癌 |
Research Abstract |
HIVベクターの開発と癌の遺伝子治療の可能性について検討した。 1)HIVベクターの改良:レトロウイルスベクターによる白血病の報告を受け、HIVベクターの挿入変異による細胞の癌化の可能性を低下させるための研究を進めている。HIVベクターの内部プロモーターが周囲の遺伝子を活性化する度合いを測定するアッセイ系を確立し、内部プロモーターとインスレーターの影響を検討した。内部プロモーターとしては、イントロンをもつEF1aのプロモータを逆向きに挿入したベクターが最も周囲への影響が少なかった。また、chicken globin遺伝子のコア・インスレーター(cHS4)を発現ユニットの両側に挿入することで、ベクターのタイターを下げることなく周囲への影響を遮断できることを見出した。 2)癌遺伝子治療法の開発:血管新生抑制作用のあるendostatinをもつウイルスベクターHIV-EndあるいはAAV-Endを作製し癌遺伝子治療の可能性を検討した。EB陽性ヒトリンパ腫細胞の増殖が筋肉内に投与したHIV-Endにより著明に抑制され、生存曲線の改善も認められた。同様にSCIDマウスに移植された多発性骨髄腫細胞の増殖が造血幹細胞に導入したHIV-Endにより著明に抑制されることが明らかした。同所移植の系として、膵癌細胞をハムスターの膵臓に移植し肝臓転移を起こすモデルを作製し、AAV-Endが原発腫瘍の増殖、及び転移の両者に著明な抑制効果をもつことを示した。また、我々が新たに作成した慢性白血病を自然発症するbcr/ablトランスジェニックマウスをモデルとしたendostatinの遺伝子治療の有効性を確認した。
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Research Products
(7 results)