2004 Fiscal Year Annual Research Report
生体マーカーを用いた肝癌の診断と治療-臨床疫学的研究-
Project/Area Number |
12218206
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小俣 政男 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90125914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川邊 隆夫 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40195136)
立石 敬介 東京大学, 医学部附属病院, 助手
大塚 基之 東京大学, 医学部附属病院, 医員
榎本 信幸 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (20251530)
佐々木 茂 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10305229)
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Keywords | 肝癌 / 生体マーカー / DCP / Vitamin K / AFP-L3 / 腫瘍マーカー / 二次元電気泳動 / 質量分析法 |
Research Abstract |
肝臓癌の3種の生体マーカー(AFP,DCP,AFP-L3)を用いた肝癌の進展予後に関しての臨床疫学的研究から、DCPが肝癌の門脈腫瘍塞栓(PVTT)の最も強力な予測因子である事を見出した。DCP陽性肝癌症例に対するVitamin K投与がPVTTの発生を抑制しうるかどうかのprospective randomized studyの結果、ビタミンK投与群では、1)血清DCPが低下し、2)PVTTの発生率が有意に減少し、3)予後改善をもたらすことが明らかになった。この成果を踏まえビタミンKの肝癌のケモプリベンション効果についての多施設共同研究も進行中である。このように臨床的なVitamin Kの門脈浸潤抑制・予後改善効果については、その機構についての基礎医学的検討も行い、ビタミンKにより誘導される細胞内シグナルやその結合蛋白を同定した。一方新規腫瘍マーカーの同定のための二次元電気泳動・質量分析法の応用を研究室内で確立し、癌結節の経皮的治療前後の血清蛋白の変化から新規腫瘍マーカーの候補を同定した。8症例の肝癌患者の治療前後での血清を二次元電気泳動し蛋白展開パターンを比べ、変動スポットを特定し質量分析による蛋白同定を行なった。proapolipoprotein,_2-HS glycoplotein,apolipoprotein A-IV precursorなどの4つの蛋白が治療後に共通して減少しleucine-rich _2-glycoprotein and _1-antitrypsinなど7つの蛋白が増加していることを見いだした。また肝癌細胞株の分泌する蛋白を解析し、癌特異的な糖鎖修飾を有する蛋白を抽出、検体での発現確認を行うと共に腫瘍細胞の生物学的特性に与える作用についてもin vitroで解析を進めている。
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