2002 Fiscal Year Annual Research Report
宿主・環境要因に着目した消化管がんの二次原発がん発生リスクに関する研究
Project/Area Number |
12218210
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
湯浅 保仁 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80111558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝澤 登一郎 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教授 (80323674)
岩井 武尚 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90111591)
杉原 健一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10171167)
三宅 智 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (00332346)
江石 義信 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70151959)
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Keywords | 胃がん / 生活習慣要因 / 発生リスク / メチル化 / 転写因子 / CDX2遺伝子 / PDX1遺伝子 |
Research Abstract |
消化管がんの発生リスクを明らかにするため、消化管の分化に関連する遺伝子の発現を解析した。腸特異的ホメオボックス遺伝子CDX2の発現を免疫組織染色で解析した結果、腸上皮化生では高く、胃がんでは発現がさがったが、CDX2の発現は高分化型の方が有意に低分化型より高く、分化との関連が示された。 CDX2の発現が胃がんで低下している原因としてメチル化によるのか否かを調べ、55例中16例でメチル化を検出した。メチル化と生活習慣要因の関連を検討した結果、野菜を高頻度に食べている患者ではメチル化の頻度が低かった。以上より、メチル化によりCDX2の発現がさがり、またメチル化の頻度と生活習慣に関連があることが示唆された。 CDX2による腸上皮化生誘導の機序を明らかにするため、CDX2の転写活性化能を調べた。腸特異的粘液であるMUC2と、細胞周期を調節するp21について検討した。レポーターアッセイ、ゲルシフトアッセイ、mRNA発現誘導を調べたが、全ての実験でCDX2はMUC2とp21の発現を上昇させた。この結果、CDX2は細胞周期を止め、腸特異的タンパク質を発現させて、腸への分化を誘導する可能性が示唆された。 さらに、胃がんに関与する消化管特異的転写因子を探すため、胃幽門部、十二指腸、膵臓で発現しているホメオボックスタンパク質PDX1の発現を解析した。PDX1に対する抗体を作成して、免疫組織染色を行ったところ、PDX1は幽門腺、偽幽門腺で発現が見られた。胃がんでは分化型、および早期胃がんで高かった。従って、PDX1と偽幽門腺ががん化に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Bai Y-Q, et al.: "Ectopic expression of homeodomain protein CDX2 in intestinal metaplasia and carcinomas of the stomach"Cancer Letters. 176. 47-55 (2002)
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[Publications] Homma MK, et al.: "Association and regulation of casein kinase 2 activity by adenomatous polyposis coli protein"Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.. 99. 5959-5964 (2002)
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[Publications] Yanagisawa Y, et al.: "DNA methyltransferases DNMT3A and DNMT3B have two types of promoters with different CpG contents"Biochimica Biophysica Acta. 1577. 457-465 (2002)
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[Publications] Tanaka H, et al.: "The fission yeast pfh1^+ gene encodes an essential 5' to 3' DNA helicase require for the completion of S-phase"Nucleic Acids Research. 30. 4728-4739 (2002)
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[Publications] Yamamoto H, et al.: "Homeodomain protein CDX2 regulates goblet-specific MUC2 gene expression"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 300. 813-818 (2002)
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[Publications] Miyake S, et al.: "A novel EID-1 family member, EID-2, associates with histone deacetylases and inhibits muscle differentiation"J. Biol. Chem.. (in press). (2003)
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[Publications] 湯浅 保仁 他: "これからのバイオインフォマティクスのためのバイオ実験入門"羊土社. 203 (2002)