2004 Fiscal Year Annual Research Report
宿主・環境要因に着目した消化管がんの二次原発がん発生リスクに関する研究
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12218210
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
湯浅 保仁 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80111558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 健一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10171167)
岩井 武尚 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90111591)
滝沢 登一郎 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (80323674)
江石 義信 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70151959)
秋山 好光 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (80262187)
深町 博史 東京大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70134450)
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Keywords | 胃がん / メチル化 / CDX2 / エピジェネティック疫学 / BMP-2 / カルシウムチャンネル / DNAメチルトランスフェラーゼ / MUC6 |
Research Abstract |
我々は昨年度までに、緑茶や十字科野菜の摂取が多い患者では、胃がんにおけるホメオプロテインCDX2遺伝子のメチル化頻度が低いことを報告し、Epigenetic epidemiology(エピジェネティック疫学)の概念を確立した。今年度はさらに研究を進め以下の研究結果を得た。 骨形成因子(BMP)-2の胃がん細胞における発現を調べた結果、プロモーター領域のメチル化が発現抑制の原因であった。原発胃がんの解析でも、メチル化が発現抑制に重要だった。BMP-2のメチル化頻度は未分化型で高く、BMP-2が胃がん、特に未分化型で発症に関連している可能性が示唆された。次に、がんで異常メチル化の多い染色体3p21に着目し、その領域にあるカルシウムチャンネル構成因子の一つをコードするCACNA2D3遺伝子のメチル化を解析した。その結果、やはり未分化型胃がんでメチル化頻度が高かった。 DNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)3Aと3Bは、メチル化に必須であり、それらの遺伝子の発現調節機構を調べて、Spファミリー因子が重要であることを明らかにした。胃の幽門腺特異的ムチンMUC6をコードする遺伝子の発現調節機構を解析した結果、Spファミリー因子とNF-κBが正に調節していた。 CDX2の発現を胆嚢がんで解析して、37%で陽性であった。CDX2とMUC2の発現は有意に相関しており、胆嚢がんでも腸型形質を示すがんがあって、CDX2が関連している可能性が示唆された。
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