2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12219202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹縄 忠臣 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40101315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 裕明 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (80302602)
深見 希代子 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (40181242)
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Keywords | 癌細胞 / 浸潤 / 細胞運動 / WAVE |
Research Abstract |
癌細胞は運動能が亢進し、基底膜を破って浸潤し、転移していく。我々は細胞運動を制御するタンパク質、WASPとWAVEを採り、WASPが糸状仮足形成を、WAVEが葉状仮足形成に関与していることを明らかにしてきた。これらのタンパク質が癌細胞の浸潤、転移に関与しているのではないかと考え、様々な癌細胞と正常細胞での発現量を調べた。その中で、メラノーマで転移能が亢進している細胞株、B16F10では低転移能の親株B16に比し、WAVE1の発現が著しく上昇していた。WAVE2,3の発現は変化なかった。B16にWAVE1やWAVE1ΔVを発現させた安定株を作成しファイブロネクチンへの遊走を調べた。しかしながらWAVE2を発現させたB16株においても遊走の亢進は見られなかった。一方ドミナントネガテイブに働くと考えられるWAVE1ΔVの発現では遊走が抑制された。WAVE1の発現量を減少させることで高転移能から回復するかも知れないと考え、RNAiにてB16F10細胞のWAVE1の発現量を減少させ、細胞遊走を調べた。するとWAVE1-RNAiにおいて顕著でないものの細胞遊走に抑制が見られた。更に、invasionアッセイを同様に行った。Invasionの阻害は遊走阻害よりもより顕著に起こった。次にWAVE1を減少させた場合の細胞増殖への影響を調べた。親株のB16F10は分裂周期が,12時間と非常に増殖速度が速いのに対し、WAVE1-RNAiしたB16F10、では分裂周期が24時間と遅く、増殖が抑制された。これらの結果からWAVE1は癌の増殖、転移に関わっている可能性が示唆された。
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[Publications] Suetsugu, S., Hattori, M., Miki, H., Tezuka, T., Yamamoto, T., Mikoshiba, K., Takenawa T: "Sustained Activation of N-WASP through Phosphorylation Is Essential for Neurite Extension"Dev Cell. 3. 645-658 (2002)
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[Publications] Nozumi, M., Nakagawa, H., Miki, H., Takenawa, T., Miyamoto, S.: "Differential localization of WAVE isoforms in filopodia and lamellipodia of the neuronal growth cone"J Cell Sci. 116. 239-246 (2003)
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[Publications] Ijuin, T., Takenawa, T.: "SKIP Negatively Regulates Insulin-Induced GLUT4 Translocation and Membrane Ruffle Formation"Mol Cell Biol.. 23. 1209-1220 (2003)