2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12219203
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
武藤 誠 京都大学, 医学研究科, 教授 (70281714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 正伸 京都大学, 医学研究科, 助教授 (40324610)
青木 正博 京都大学, 医学研究科, 講師 (60362464)
三好 弘之 京都大学, 医学研究科, 助手 (30362479)
北村 剛規 京都大学, 医学研究科, 助手 (10378622)
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Keywords | Apc / マイクロアレイ / 癌 / Lkb1 / 病理学 / トランスジェニックマウス / 間質細胞 / Fhit |
Research Abstract |
上皮と間質の相互作用は、腫瘍の成長と悪性化を制御する重要なファクターである。我々は様々なマウスモデルに発生する腫瘍を解析することによって以下のような知見を得た。(1)Apc^<Δ716>/Smad4複合変異マウスに発生する悪性腺癌の遺伝子プロファイルをApc^<Δ716>マウスの良性腺腫瘍と比較し、発現に変化のある112遺伝子を抽出した。さらにマイクロダイセクション法により上皮細胞と間質細胞それぞれで発現量に変化のある遺伝子を同定した。(2)腸管腫瘍形成に対するWntシグナルの役割を解明するため、Nkd1遺伝子ノックアウトマウス、Apc^<neoF>およびApc^<neoR>マウスを作出し、腸管における腫瘍形成への影響について検討した。Nkd1はWnt/β-cateninシグナルを阻害することが知られているが、Nkd1遺伝子が欠損してもApc^<Δ716>マウスの腸管ポリープ形成には変化が見られなかった。また、ハイポモルフィック変異を導入したApc^<neoF>およびApc^<neoR>マウスの解析により、Apc蛋白量がある閾値を超えて減少することによっても腫瘍が形成されることが示された。(3)COX-2およびmPGES-1を発現するトランスジェニックマウス(K19-C2mE)は胃に過形成性腫瘍を発生する。このマウスの解析により、細菌感染による刺激が引き起こす一連の炎症反応が腫瘍形成に重要であることを解明した。(4)Lkb1+/-マウスは胃腸管に過誤腫性ポリープを発生するPeutz-Jeghers症候群のモデルマウスである。今回Lk1+/-マウスにおいてさらにp53を欠失させることにより、胃だけではなく肝臓や卵巣でも腫瘍形成が促進されることが示された。(5)癌抑制遺伝子の1つであるFhit遺伝子ノックアウトマウスを作製した。Fhit-/-およびFhit+/-マウスは様々な臓器に腫瘍を発生し、一部の腫瘍では既知の癌遺伝子や癌抑制遺伝子の発現が変化していることが明らかになった。
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Research Products
(20 results)