2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12219204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷口 維紹 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50133616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 賢也 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60334231)
高柳 広 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20334229)
高岡 晃教 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30323611)
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Keywords | インターフェロン / IRFファミリー / Noxa / p53 / 樹状細胞 / TLR3 / 破骨細胞 / 発がん抑制 |
Research Abstract |
発がん抑制機構、抗腫瘍免疫、骨転移がん制御といった観点から、これらの局面で関連する因子の遺伝子間、蛋白質間相互作用とがん化の関係を分子レベルで解析することにより、発がん抑制に関する遺伝子発現ネットワークの解析を進め、以下のような結果を得た。まず、各種遺伝子欠損マウスを用いた、IFN-IRF系を中心としたシグナル伝達系の解析から、IFN-α/βによるシグナルが細胞のがん化抑制に重要な役割を果たしている証拠を得た。これらは、p53経路との関連を含め、現在詳細な解析を進めている。また、IRF-7遺伝子欠損マウスの作製が完了し、ウイルス感染時のIFN産生に関わることが確証された。現在、ウイルス感受性におけるIRF-7の生体レベルでの機能解析を進めている。併せて、IRF-7のがん化制御への関連性についての解析も今後の課題と考えている。p53標的遺伝子Noxaの欠損マウスの解析も進行しており、p53依存性アポトーシスにおける新たな知見を見出し、とくに癌治療における有用性を示す結果が得られている。樹状細胞の活性化メカニズムの研究においては、二本鎖RNAにより二相性に樹状細胞が活性化されることを明らかとし、この過程でのIFN-α/βによるTLR3発現誘導を介したシグナル増幅機構の存在を示した。IFN-βがRANKLによって誘導されることを見出し、IFN-βがRANKLシグナルの負のフィードバック因子として過剰な破骨細胞分化を抑制し、正常な骨リモデリングを維持するために必須のサイトカインであることを明らかにした。さらにNFATc1が破骨細胞の分化を制御する重要な転写因子であることを見出した。今後、上記のような局面にからさらに研究を発展させ,がんの発症機構解明や新たな治療戦略の開発の分子基盤を解明することを考えている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Takayanagi, H., Kim, S., Matsuo, K.他4名: "RANKL maintains bone homeostasis through c-Fos-dependent induction of IFN-beta"Nature. 416巻. 744-749 (2002)
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[Publications] Takayanagi, H., Kim, S., Koga, T.他11名: "Induction and activation of the transcription factor NFATc1 (NFAT2) integrate RANKL signaling for terminal differentiation of osteoclasts"Developmental Cell. 3巻. 889-901 (2002)
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[Publications] Taniguchi T, Takaoka A.: "The interferon-alpha/beta system in antiviral responses : a multimodal machinery of gene regulation by the IRF family of transcription factors"Current Opinion in Immunology. 314巻・1号. 111-116 (2002)
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[Publications] Ogasawara, K., Hida, S., Weng, Y.他9名: "Requirement of the JFN--alpha/beta-induced CXCR3 chemokine signaling for CD8+ T cell activation"Genes to Cells. 7巻. 309-320 (2002)
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[Publications] Takayanagi, H., Kim, S., Taniguchi, T.: "Signaling crosstalk between RANKL and interferons in osteoclast differentiation"Arthritis Research. 4巻. S227-S232 (2002)