2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖・分化及び細胞周期を制御するシグナル伝達の分子機構
Project/Area Number |
12219208
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西田 栄介 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (60143369)
|
Keywords | MAPキナーゼ / 細胞周期 / シグナル伝達 / 細胞増殖因子 / 細胞癌化 |
Research Abstract |
進化的に保存されたM期タンパク質キナーゼPolo-like kinase1(Plk1)がM期開始のマスター因子であるMPFの負の制御因子として同定されていたタンパク質キナーゼMyt1をリン酸化し、その局在を制御することで、細胞分裂期におけるゴルジ体の断片化に関与することが示された。細胞増殖因子のシグナル伝達で重要な役割を果たすERK5 MAPキナーゼの核細胞質間移行の分子機構を詳細に解析し、MEK5によるリン酸化依存的なコンフォメーション変化がERK5の核内移行を引き起こしていることを明らかにした。古典的MAPキナーゼERKによる遺伝子発現調節の網羅的かつ体系的解析を行い、静止期からS期へ細胞周期が進行するために必要なERK依存的な遺伝子発現制御の新しい機構を見出した。細胞増殖因子刺激により静止期からS期へ移行する際の遺伝子発現プロファイルに対するERK MAPキナーゼの活性化時間の影響をマイクロアレイにより体系的に調べ、ERK MAPキナーゼが細胞増殖を正に制御する遺伝子の誘導を引き起こすばかりではなく、その高い発現レベルを維持するためにも必要であることが明らかとなった。またERK MAPキナーゼの働きにより発現レベルが減少する遺伝子群が存在することが明らかになった。また、細胞増殖因子による細胞周期の再開始を正および負に制御するERKのターゲット遺伝子を複数新たに同定した。
|
Research Products
(4 results)