2004 Fiscal Year Annual Research Report
血管・血液システムの成立機構の解明と細胞治療を目指したES細胞の分化
Project/Area Number |
12219209
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
西川 伸一 独立行政法人理化学研究所, 幹細胞研究グループ, グループディレクター (60127115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江良 拓実 独立行政法人理化学研究所, 幹細胞研究グループ, 研究員 (00273706)
大沢 匡毅 独立行政法人理化学研究所, 幹細胞研究グループ, 研究員 (10344029)
植村 明嘉 独立行政法人理化学研究所, 幹細胞研究グループ, 研究員 (30373278)
戸川 温 独立行政法人理化学研究所, 幹細胞研究グループ, 研究員 (30359799)
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Keywords | ES細胞 / 分化誘導 / 色素細胞幹細胞維持機構 / 血管リモデリング分子機構 |
Research Abstract |
研究室全体では、ES細胞からの分化誘導、色素細胞幹細胞維持機構の解明、血管リモデリング分子機構の解明、を3本柱として研究を続けている。 16年度の先端がんでは、特に血管リモデリングの分子機構に集中し、以下の結果を得た。 1.網膜での血管新生と抑制のスイッチは全てアストロサイトによって調節されること、 2.アストロサイトのproangiogenic vs angiostatic状態はGFAPの発現でモニターできること、 3.GFAPの発現は、LIFにより正に制御され、Tlxにより負に制御されること、 4.Tlx欠損によりグリアがファイブロネクチンを分泌できなくなり、結果血管の新生が進まないことを示し、Tlxがhypoxiaに反応する新しいproangiogenic因子であることを明らかにした。 これと平行して、PlexinD1をES細胞から血管内皮細胞(EC)への分化培養中で同定し、これがECのフィロポディア形成の抑制分子であることを明らかにした。 これと平行して行ったES細胞からの分化誘導法の開発については、visceral endoderm (VE)とdefinitive endoderm (DE)それぞれを選択的に誘導する無血清培養条件を開発するとともに、それぞれの細胞を分別する細胞表面マーカーを見つけ出した。 最後に、色素細胞幹細胞維持機構については、これまで得られた幹細胞特異的に発現する遺伝子について、機能的検討を始めた。その中で、本年は特に幹細胞維持におけるnotchシグナルの役割について解析し、jagged 2/notch1シグナルが、色素細胞の発生に必須の因子であることを明らかにした。また、このシグナルはHes1を介するオーソドックスな経路によるものであることも明らかにするとともに、Hes1機能を抑制することで、幹細胞の生存が維持できないことが明らかになった。
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