2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12219212
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
審良 静男 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (50192919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 潔 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (20309446)
改正 恒康 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (60224325)
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Keywords | Toll-like receptor / 自然免疫 / リポ多糖 / Th1反応 / サイトカイン |
Research Abstract |
Tollは、昆虫や哺乳動物と種をこえて広く保存され、自然免疫に必須の分子で、高等動物では、Th1反応の最初の引き金となる分子である。われわれは、現在、Toll-like receptor(TLR)ファミリーのノックアウトを通じて各TLRの役割やそのシグナル伝達経路を調べている。以下に本年度の研究成果を概略する。 1.TLR9は病原体DNAを認識する受容体であることの証明: CpG DNAは、単に、微生物やウイルスのDNAの成分であるというだけでなく、各種のアジュバントのなかでももっとも強くTh1反応を引き起こすことから、アジュバント療法として、感染症、癌、アレルギーの治療に対する臨床応用が現在おこなわれている。しかしながら、CpG DNAを認識する受容体は不明であった。今回、TLR9ノックアウトマウスの解析を通じてTLR9が、微生物DNA(非メチル化CpGDNA)の認識に必須の分子であることが判明した。非メチル化CpGDNAは、マクロファージ、B細胞、樹状細胞に作用して、それぞれ炎症性サイトカイン、細胞増殖、機能的成熟を促すが、TLR9ノックアウトマウス由来の細胞ではこれらの反応がまったく認められなかった。さらに、CpGDNAとD-galactosamineを腹腔内に投与すると、野生型マウスは、10時間以内に全例死亡したが、TLR9ノックアウトマウスは、すべて生存するとともに血清中の各種サイトカインの産生の増加も認められなかった。 2.リポ多糖(LPS)シグナル伝達におけるMyD88非依存的経路の役割: LPSシグナル伝達にはMyD88依存性と非依存性の2つの経路が存在する。骨髄由来樹状細胞のLPSによる分化誘導に際してMyD88非依存性経路がCD40を始めとする副刺激分子の誘導に関わること、サイトカインの産生にはMyD88依存性経路が必須であることをあきらかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hemmi,H.: "A Toll-like receptor recognizes bacterial DNA."Nature. 408. 740-745 (2000)
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[Publications] Sato,S.: "Synergy and cross-tolerance between Toll-like receptor (TLR) 2-and TLR4-mediated signaling pathways."J.Immunol.. 165. 7096-7101 (2000)
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[Publications] Takeuchi,O.: "Preferentially the R-steroisomer of the Mycoplasmal lipopeptide macrophage-activating lipopeptide-2 activates immune cells through a TLR 2- and MyD88-dependent signaling pathway."J.Immunol.. 164. 554-557 (2000)
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[Publications] Takeuchi,O.: "TLR2-deficient and MyD88-deficient mice are highly susceptible to Staphylococcus aureus infection."J.Immunol.. 165. 5392-5396 (2000)
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[Publications] Nomura,F.: "Endotoxin tolerance in mouse peritoneal macrophages correlates with downregulation of surface Toll-like receptor 4 expression."J.Immunol.. 164. 3476-3479 (2000)
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[Publications] Akira,S.: "Toll-like receptor : lessons from knockout mice"Biochem.Society Transaction. 28. 551-556 (2000)