2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12219213
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長田 重一 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (70114428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 正人 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00294059)
福永 理己郎 , 助教授 (40189965)
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Keywords | アポトーシス / マクロファージ / 自然免疫 / 貪食 / 胸腺 / DNase / インターフェロン / リン脂質 |
Research Abstract |
アポトーシスは生体にとって不要、あるいは害となる細胞を除去する過程であり、核や細胞の形態変化、染色体DNAの断片化をともなう。私たちはこれまでにアポトーシスでは数種類のカスパーゼが段階的に活性化されること、このプロテアーゼがCAD DNaseを特異的に活性化し、染色体DNAの分解をひきおこすことを示した。実際、CAD欠損マウスから調製した細胞ではアポトーシス時の染色体DNAの断片化がおこらなかった。ところが、CADを欠損しているマウスのin vivoでアポトーシスを観察すると野生型と同程度のTUNEL反応が観察された。これらの細胞は貪食細胞内に存在したことから、アポトーシスを起こした細胞は速やかにマクロファージによって貪食され、マクロファージ内のDNase IIによってそのDNAが分解されることを示唆した。実際、DNase II遺伝子を欠損したマウス胚の肝臓からマクロファージを調製し、このマクロファージにアポトーシスを起こしたCAD欠損細胞を貪食させたところ核DNAは長時間マクロファージ内に残存した。一方、CAD、DNase II両遺伝子を欠損したマウス胸腺は、その発達が遅れ、またこの組織内には分解されない核DNAを数多く含むマクロファージが見出された。そしてこの胸腺では大量のインターフェロンβ遺伝子の発現が認められた。以上の結果はアポトーシス細胞の核DNAはアポトーシス細胞内でのCAD、マクロファージでのDNase IIによって担われていること、このDNAが分解されないと自然免疫を活性化することを示している。一方、CAD欠損細胞を用いて、アポトーシス細胞貪食の定量系を樹立し、この過程に関与する分子MFG-E8を同定した。MFG-E8は活性化されたマクロファージによって分泌され、アポトーシス細胞の表面に暴露されるリン脂質を認識して、アポトーシス細胞とマクロファージを橋渡しする分子であることが示された。
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[Publications] Hanayama, R.et al.: "Identification of a factor that links apoptotic cells to phagocytes"Nature. 417. 182-187 (2002)
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[Publications] Mukae, N.et al.: "Activation of the innate immunity in Drosophila by endogenous chromosomal DNA that escaped apoptotic degradation"Genes & Develop. 16. 2662-2671 (2002)
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[Publications] Sakahira, H., Nagata, S.: "Co-translational folding of caspase-activated DNase with Hsp7O, Hsp4O, and inhibitor of caspase-activated DNase"J.Biol.Chem.. 277. 3364-3370 (2002)
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[Publications] Nagata S., et al.: "Degradation of chromosomal DNA during apoptosis"Cell Death & Differ.. (in press).
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[Publications] Kawane, K.et al.: "Impaired thymic development in mouse embryos deficient in apoptotic DNA degradation"Nature Immunol.. (in press).
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[Publications] Ogawa, H.et al.: "Regulation of myeloid zinc finger protein 2A (MZF-2A) transactivation activity through phosphorylation by MAP kinases"J.Biol.Chem.. (in press).