2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12219213
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長田 重一 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (70114428)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福永 理己郎 大阪大学, 生命機能研究科, 助教授 (40189965)
川根 公樹 大阪大学, 生命機能研究科, 助手 (60362589)
|
Keywords | アポトーシス / 自己免疫疾患 / マクロファージ / 樹状細胞 / 抗核抗体 / MFG-E8 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
アポトーシスは不要な、害となる細胞を取り除く過程であり、その最終過程で、死細胞はマクロファージや未熟樹状細胞(immature dendritic cells)によって貪食、処理される。私達はこれまでにマクロファージによるアポトーシス細胞貪食の定量系を樹立し、この系を用いてアポトーシス細胞をマクロファージに橋渡しする因子MFG-E8を同定した。本年度はこの因子に対するモノクローナル抗体を作成し、MFG-E8が脾臓やリンパ節の胚中心(germinal center)に存在する核片貪食マクロファージ(tingible-body macrophage)や皮膚に存在する未熟樹状細胞、Langerhans細胞に発現されていることを見出した。ついで、MFG-E8遺伝子を欠損したマウスを樹立し、このマウスからの腹腔マクロファージや骨髄細胞から樹立した未熟樹状細胞はアポトーシス細胞の貪食能が顕著に減少していること、脾臓胚中心には貪食されていないアポトーシス細胞が放置されていることを見出した。そして、MFG-E8遺伝子欠損マウス、特にメスのマウスの血清中には年齢と共に、大量の抗核抗体、抗DNA抗体が見出された。また、糸球体には抗体の沈着が見られ、腎臓の機能も低下していた。脾臓の胚中心ではB-リンパ球が活性化され、抗原に対して低親和性の抗原受容体を発現する細胞はアポトーシスを起こして死滅する。以上の結果はこのアポトーシスを起こしたリンパ球は胚中心に存在する核片貪食マクロファージによってMFG-E8依存的に貪食されること、この貪食が正常に起こらないと自己免疫疾患を引き起こすことを示している。貪食されないアポトーシス細胞は2次的にネクローシスに陥り、細胞内成分が漏出、これが免疫反応を惹起したと考えられる。
|
Research Products
(6 results)