2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12219216
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉村 昭彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (90182815)
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Keywords | チロシンキナーゼ / STAT / SOCS / MITF / チロシンりん酸化 / ユビキチン化 / HPV / インターフェロン |
Research Abstract |
STATファミリー分子はサイトカインシグナル伝達系において重要な転写因子である。特にSTAT3は多くのヒトの癌及び形質転換した細胞株において活性化が見られることから腫瘍形成に関与すると考えられている。しかし、恒常的に活性化された変異型のSTAT3(STAT3C)はv-srcほど強い細胞の形質転換能力を持たないことが軟寒天コロニー形成実験から分かっていた。そこで、STAT3Cと協調して細胞の形質転換を誘導する腫瘍化因子を検索するために、HeLaのレトロcDNAライブラリーをスクリーニングした。その結果、STAT3Cと協調してNIH3T3細胞の足場非依存性細胞増殖を誘導する遺伝子として、メラノサイトの発生や黒色化に働く重要な転写因子であるMITFを見出した。次に、STAT3とMITFの標的遺伝子をマイクロアレイ解析によって検索したところ、STAT3CとMITFとの共発現によってc-fosの転写が促進されることが分かった。更に、プロモーター解析およびChIPアッセイによりSTAT3とMITFがそれぞれc-fos遺伝子のプロモーター領域に結合して協調的に活性化することを確認した。また、ドミナントネガティブAP-1をレトロウイルスで導入するとSTAT3CとMITFとを共発現させたNIH3T3細胞の形質転換能が抑制されたことから、STAT3とMITFは協調的にc-fosの発現を高めて、その結果細胞の形質転換を誘導することが示された。またHuman papilloma virus(HPV)は、子宮頸癌患者の90%以上に感染しており、その主原因と考えられている。HPVは小型のDNAウイルスであり、8つの遺伝子を持つ。その中でも、E7遺伝子は、E6とともに発癌に強く関わっている。インターフェロンγはHPVによる癌細胞の増殖を阻害するがそれはE7のユビキチン化と分解による。しかしE7のユビキチン化を促進するユビキチンリガーゼは不明であった。我々はインターフェロンによって誘導されるSOCS1がE7蛋白の分解を促進させるユビキチンリガーゼであることを発見した。
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[Publications] Hanada T, Yoshida H, Kato S, Yoshimura A, et al.: "Suppressor of cytokine signaling-1 is essential for suppressing dendritic cell activation and systemic autoimmunity"Immunity.. 19. 437-450 (2003)
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[Publications] Seki Y, Inoue H, Nagata N, Yoshimura A, et al.: "SOCS-3 regulates onset and maintenance of TH2-mediated allergic responses"Nature Medicine. 9. 1047-1054 (2003)
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[Publications] Yasukawa H, Ohishi M, Yoshimura A, et al.: "IL-6 induces an anti-inflammatory response in the absence of SOCS3 in macrophages."Nature Immunol. 4. 551-556 (2003)
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[Publications] Saeki K, Miura Y, Aki D, Yoshimura A, et al.: "The B cell-specific major raft protein, Raftlin is necessary for the integrity of lipid raft and BCR signal transduction."EMBO J. 22. 3015-3026 (2003)
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[Publications] Sasaki, A, Taketomi T, Kato R, Yoshimura A, et al.: "Mammalian Sprouty4 suppresses Ras-independent ERK activation by binding to Raf1"Nature Cell Biol.. 5. 427-432 (2003)