2001 Fiscal Year Annual Research Report
TGF-βシグナルの分子機構とヒトがんにおける異常
Project/Area Number |
12219217
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮園 浩平 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90209908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 光保 (財)癌研究会, 癌研究所生化学部, 主任研究員 (20194855)
渡部 徹郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00334235)
宮澤 恵二 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40209896)
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Keywords | TGF-β / ユビチキン化 / c-myc / 受容体 / Smad / Smurf1 |
Research Abstract |
1.Smad7のNドメインのMH2領域との結合と抑制作用 TGF-βシグナルの抑制にSmad7のどの領域が重要かを明らかにするために、我々はSmad7のN末端部(Nドメイン)とMH2領域の作用を調べた。MH2領域だけでは弱い抑制作用しか見られなかったのに対し、NドメインをMH2領域とともに遺伝子導入すると、full-lengthのSmad7と同様にTGF-βの作用を強く抑制した。これはNドメインがMH2領域と強く結合することによるものであることが確認された。 2.Smurf1によるSmad7の細胞膜への局在と抑制作用の増強 我々はE3リガーゼであるSmurf1がSmad7を細胞質へ移行させたのち、TGF-βレセプターを分解するために細胞膜へ局在させるメカニズムについて調べた。Smurf1はアミノ末端近傍にC2ドメインを持つが、C2ドメインを欠損したSmurf1ΔC2は野生型のSmurf1と同様にSmad7と結合し、核内から細胞質へと移行した。しかしSmurf1ΔC2は細胞膜へ移行することができず、TGF-βレセプターと結合することができなかった。以上から、Smurf1が細胞膜へ局在するにはC2ドメインが重要な役割を果たしており、この領域がTGF-βシグナルの抑制にも重要であることが明らかとなった。 3.Smadを介するc-mycの転写抑制のメカニズム TGF-βは、c-mycの発現を抑制しp15やp21の発現を誘導する。我々はSmad3が、ヒトc-mycプロモーター内で少なくとも3カ所に結合しうることを見出し、このうち1カ所(TIE/E2Fサイト)が、TGF-βによる転写抑制に必要であることを示した。TGF-β刺激後1時間以内にSmad3はTIE/E2Fサイトに結合し、その結果E2F-4とp300の結合がはずれることによって転写活性が抑制されることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ebisawa, T., et al.: "Smurf1 interacts with transforming growth factor-β type I receptor through Smad7 and induces receptor degradation"J. Biol. Chem.. 276・16. 12477-12480 (2001)
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[Publications] Fukuchi, M., et al.: "Ligand-dependent degradation of Smad3 by a ubiquitin ligase complex of ROC1 and associated proteins"Mol. Biol. Cell. 12.5. 1431-1443 (2001)
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[Publications] Akiyoshi, S., et al.: "Targets of transcriptional regulation of transforming growth factor-β : Expression profile analysis using oligonucleotide arrays"Jpn. J. Cancer Res.. 92・3. 257-268 (2001)
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[Publications] Furuhashi, M., et al.: "Axin facilitates Smad3 activation in the transforming growth factor-β signaling pathway"Mol. Cell. Biol.. 21・15. 5132-5141 (2001)
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[Publications] Hanyu, A., et al.: "The N-domain of Smad7 is essential for specific inhibition of transforming growth factor-β signaling"J. Cell Biol.. 155・6. 1017-1028 (2001)
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[Publications] Yagi, K., et al.: "c-myc is a downstream target of Smad pathway"J. Biol. Chem.. 277・1. 854-861 (2002)