2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12219219
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
清野 透 愛知県がんセンター, 腫瘍ウイルス学部, 室長 (10186356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 雅俊 愛知県がんセンター, 腫瘍ウイルス学部, 主任研究員 (30270713)
中村 普武 愛知県がんセンター, 腫瘍ウイルス学部, 室長 (30109938)
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Keywords | ヒトパピローマウイルス(HPV) / E6 / トランスフォーメーション / 不死化 / TERT / p16^<INK4a> |
Research Abstract |
1.E6蛋白質による細胞トランスフォーメーション機構の解析 E6によるトランスフォーメーションにはE6のC末にあるPDZドメイン結合モチーフおよひE6APとの結合能の両者が必要であり、HPV18のE6を発現した細胞ではE6/E6APとhDLGの3者複合体形成により、hDLGの分解を促進していることが示唆された。同時にHPV型によるC末モチーフの多様性により標的蛋白質が単一でない可能性も示唆された。 2.E6蛋白質によるテロメラーゼ活性化機構の解析 E6によるTERTの転写活性化には、E6APとの結合が必要である。E6/E6AP複合体と結合する未知の標的蛋白質をコードするcDNAを分離した。このcDNAはRINGフィンガーモチーフを持つ未知の蛋白質をコード可能であり、この標的蛋白質の分解により、MycがTERTのプロモーターにアクセスできるようになるという仮説を中心に検討を進めている。 3.ヒト初代培養細胞の不死化 E6とE7の替わりに、bmi-1とTERTによりヒト正常乳腺上皮細胞が不死化できることが示された。また、ヒト食道上皮細胞の培養と不死化に成功し、その増殖と不死化様式はこれまで比較的特殊だと考えられていた2つの増殖停止期を示す乳腺上皮細胞と同一であることが分かった。これらの細胞で見られるp16INK4aの増加によるsenescence(M0期)はテロメアの短縮とは独立に起こり、上皮細胞に共通な現象であるという仮説を立て検証をすすめている。p16INK4aの転写制御にはプロモーターのメチル化、Bmi-1による抑制の他、ras、MAPキナーゼ経路、14-3-3σが関与しており、転写因子としてはJunBやEts-1,-2が正の、Id-1が負の制御に関わっていることが明らかになった。これらがM0期におけるp16INK4aの発現にどう関わっているか検討を進めている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Fujii,K. et al.: "The Epstein-Barr virus pol catalytic subunit physically interacts with the BBLF4/BSLF1/BBLF2/3 complex."Journal of Virology. 74. 2550-2557 (2000)
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[Publications] Yokoyama,N. et al.: "Co-expression of human chaperone Hsp70 and Hsdj or Hsp40 co-factor increases solubility of overexpressed target proteins in insect cells."Biochim Biophys Acta. 1493. 119-124 (2000)
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[Publications] Arata,Y. et al.: "Cdk2-dependent and -independent pathways in E2F-mediated S phase induction."J.Biological Chemistry. 275. 6337-6345 (2000)
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[Publications] Sawada,M. et al.: "p53 regulates ceramide formation by neutral sphingomyelinase through reactive oxygen species in human glioma cells."Oncogene. (in press). (2001)
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[Publications] 清野透: "ヒトパピローマウイルスによる発癌機構"日本婦人科腫瘍学会雑誌. 18. 131-138 (2000)
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[Publications] 清野透: "ヒトパピローマウイルス初期遺伝子の機能と発癌"現代医療. 32. 39-45 (2000)
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[Publications] 田矢洋一 編: "イラスト医学&サイエンス 細胞周期のしくみと癌"羊土社. 8 (2000)