2001 Fiscal Year Annual Research Report
中山間農村における高齢者の世帯戦略と都市の既婚子に関する実証的研究
Project/Area Number |
12301008
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
関 孝敏 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30105647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 昭英 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (30213119)
林 研三 札幌大学, 法学部, 教授 (60218568)
平澤 和司 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (30241285)
岡庭 義行 帯広大谷短期大学, 日本語日本文学科, 講師 (60331196)
轟 亮 信州大学, 人文学部, 助教授 (20281769)
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Keywords | 中山間農村 / 世帯戦略 / 農村の高齢者 / 都市の既婚子 / 相続 / 扶養 / 継承 / 家族協定(契約) |
Research Abstract |
本年度の研究実績は、以下のとおりである。(1)昨年度に設定した対象地域(1道3県6自治体)に関する多時点の人口・世帯・産業・所得・財政の諸項目を中心とした地域データベースの作成を進めた。(2)17年〜19年前の調査結果に照らし合わせつつ、広島市に在住する既婚子家族(都市移住家族)に関する聞き取り調査を行い長期間における変化の有り様を確認した。(3)世帯戦略の概念を明確にするために中山間農村における「家族協定」実施地区および農家より現状に関する聞き取り調査を行った。本年度は北海道中札内村をさらに対象地区に加え考察を深めた。とくに北海道内における「家族協定(親子協定を含む)」農家における契約の観念が生産と生活の両面から考察されている研究成果を入手した。これらを手がかりにして相続・継承・扶養といった概念は家族における契約の概念から捉え直すことの必要性をいっそう強く実感した。(4)赤井川村の「農地法3条」を中心とした農地移動に関する資料(昭和54年から現在まで)収集を開始した。(3)および(4)から世代間結合及び夫婦間結合に関する客観的把握の接近方法が鮮明になった。(5)兵庫県五色町において他自治体、とくに都市部からの高齢者世帯の転入に関する資料収集を行った。この調査を通じて、高齢者の世帯戦略の概念の深化を図ることが出来た。(6)フランスの農村・山村における農家からの聞き取り調査により日本の農家における相続・継承・扶養との文化的違いが鮮明になった。このことから本研究の標題に関する考察が深められた。
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