2000 Fiscal Year Annual Research Report
中高年期における職業からの引退過程と家庭、健康のダイナミクスに関する研究
Project/Area Number |
12301013
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
柴田 博 桜美林大学, 文学部, 教授 (30154248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉原 陽子 (財)東京都老人総合研究所, 保健社会学部門, 研究助手 (80311405)
杉澤 秀博 (財)東京都老人総合研究所, 保健社会学部門, 主任研究員 (60201571)
阿久根 英昭 桜美林大学, 文学部, 教授 (50167863)
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Keywords | 転職 / 雇用調整 / 就労希望 / 中高年期 / 引退 |
Research Abstract |
1.既存のデータベースの解析 1999年に全国55〜64歳の男女を対象に実施した調査(初回調査)のデータを解析した。 1)就労希望に関連する要因を分析した結果、男性では収入が低いこと、仕事満足度が高いこと、女性では仕事満足度が高いことが66歳以後まで就労し続けたいことと関連していた。 2)主観的に良好な転職ができたか否かに関連する要因を分析した結果、仕事以外の知人の紹介や家族・親族からの紹介で転職した人が良好な転職の割合が高かった。求人広告や公共職業安定所のルートを通しての転職ではこのような効果はなかった。 3)転職の困難に関連する要因を分析した結果、45歳以降に離職経験がある人の中で現職がある人(転職成功層)と就労意思があるにもかかわらず現職のない人(転職困難層)でその特性の違いが見られ、転職困難層では前職の企業規模が小さく、前職の業種が製造業、建設業、運輸通信業である人の割合が高かった。 4)失業や企業の雇用調整の中高年の精神健康に与える影響を分析した結果、失業者や雇用調整が進む企業に勤めている人ではうつ症状が有意に高かった。 5)就労からの引退後において社会貢献活動(家庭向け、友人・知人向け、地域や社会向け)が精神的な健康に与える効果を分析した結果、地域や社会に対する貢献活動(ボランティアなど)は精神的な健康の向上に関連していたが、家庭向け(家事など)や友人や知人向け(家事手伝いなど)の貢献活動は精神の健康の向上と関連がみられなかった。 2.2001年の追跡調査に向けての準備 初回調査の対象者に対する追跡調査の準備を行った 1)調査協力者向けのパンフレットの作成と送付 追跡調査の回収率を高めるため、初回調査の回答者向けのパンフレットの作成と送付を行った。 2)対象者の所在確認 追跡調査を効率的に行うため、対象者の所在確認(転居、死亡など)を住民基本台帳に基づき行った。
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