2003 Fiscal Year Annual Research Report

前近代の潟湖河川交通と遺跡立地の地域史的研究

Research Project

Project/Area Number	12301017
Research Institution	NIIGATA UNIVERSITY
Principal Investigator	小林昌二新潟大学, 人文学部, 教授 (30036470)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	高濱信行新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 教授 (20018948) 矢田俊文新潟大学, 人文学部, 教授 (40200521) 芳井研一新潟大学, 人文学部, 教授 (90092634) 橋本博文新潟大学, 人文学部, 教授 (20198691) 卜部厚志新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 助教授 (20281173)
Keywords	古文書 / 古絵図 / 考古学 / 地形 / 地質 / ジオスライサー / 渟足柵 / 蒲原津
Research Abstract	平成12〜15年度の研究実績をまとめること、補充調査に重点がおかれた。 (1)渟足柵推定地を新潟市沼垂町の貞享絵図により王瀬の可能性が最も高いとして絵図の位置を現地図に定める作業により王瀬を貫くJR貨物臨港線下やその他のボーリング調査により線路下18m前後に5000年前の沼沢火山灰の流路堆積を確認し、新砂丘IIIの形成が地表観察等による従来の古墳時代成立説を根本的に書き換え、縄文中期以前とする成果をもたらした事実の確認を行った。 (2)また深さ5m前後で50〜20cm幅の古表土層をとらえ、直上の堆積植物遺体のC14で1180±30年の数値を得た。須恵器片等を取り上げるため地震探査用のジオスライサー機器により古土壌採集を3カ所20例得た。須恵器片等を採集できなかったが、古表土について花粉・プラントオパール・珪藻分析を行い、稲作水田利用の古環境が判明した。古表土の分布と正確な年代確定がなお課題であるが、これらの確定のための補充調査を実施した。 (3)地質班は越後平野形成がデルタ作用と砂丘バリアシステム、また地殻構造によるとする全般的解明を進め、文献班は、渟足・磐舟柵が内水面でつながる密接な様相を、古文書・古絵図や航空写真、遺跡分布からとらえ、新見解にまとめた。また中世加治庄沼垂津、金津保蒲原津、弥彦庄新潟津の三津をめぐる中世的支配と水系、割拠的様相をとらえた。近世の会津藩船道史料により、中世以来の割拠的支配が阿賀野川と信濃川の両水系にあり、近世では両河川を股に掛けた下條船の活動をとらえ、鉄道以前に近代への自生的な発達の地域的様相をとらえるなど、補充調査を実施した。 (4)これら研究成果は、イギリス・ダラム大学ジナ・バーンズ教授(考古学)、合衆国南カリフォールニア大学ジョアン・ピジョー教授(日本前近代史)、同オハイオ州立大学フイリップ・ブラウン准教授(日本近世史)、韓国仁荷大学李啓徨教授との検討・交流を、平成15年9月27,28日「地域と学際・国際シンポジウム」で行い、地域比較の方法的研鑚や世界の研究者年広げる期待が表明され、一定の評価を得た。バーンズ教授の越後平野を対象とした古地理復原論考が寄せられ、刊行予定の報告書に掲載される。また2月29日に地域向けの報告シンポジウムを行った。

Research Products
(7 results)

All Other

All Publications (7 results)

[Publications] 小林昌二: "古代の蒲原津と「四度目沼垂町割図」"佐渡・越後文化交流史研究. 3号. 1-11 (2003)
[Publications] 芳井研一: "北洋漁業と地域杜会"新潟県立文書館紀要. 7号. 1-21 (2003)
[Publications] 芳井研一: "鮭と堰堤の相克史"新潟大学環日本海研究年報. 10号. 89-111 (2003)
[Publications] 矢田俊文: "戦禍・災害と人々の生活"論集『戦国の地域国家』. 289-316 (2003)
[Publications] 高濱信行: "Identification and characterization of a subsided barrier island in the Holocene alluvial plain, Niigata, central Japan"Quaternary International. 115-116. 93-104 (2004)
[Publications] 卜部厚志: "Holocene paleoenvironmental change inferred from the diatom records of the Echigo Plain, Japan, 117-130"Quaternary International. 115-116. 117-130 (2004)
[Publications] 小林昌二: "新潟県内古代出土文字資料集成"新潟大学超域研究機構「大域的文化システムの再構成に関する史料学的研究」(代表者關尾史郎). 230 (2004)

2003 Fiscal Year Annual Research Report

前近代の潟湖河川交通と遺跡立地の地域史的研究

Principal Investigator

小林 昌二 新潟大学, 人文学部, 教授 (30036470)

Research Products

[Publications] 小林 昌二: "古代の蒲原津と「四度目沼垂町割図」"佐渡・越後文化交流史研究. 3号. 1-11 (2003)

[Publications] 芳井 研一: "北洋漁業と地域杜会"新潟県立文書館紀要. 7号. 1-21 (2003)

[Publications] 芳井 研一: "鮭と堰堤の相克史"新潟大学環日本海研究年報. 10号. 89-111 (2003)

[Publications] 矢田 俊文: "戦禍・災害と人々の生活"論集『戦国の地域国家』. 289-316 (2003)

[Publications] 高濱 信行: "Identification and characterization of a subsided barrier island in the Holocene alluvial plain, Niigata, central Japan"Quaternary International. 115-116. 93-104 (2004)

[Publications] 卜部 厚志: "Holocene paleoenvironmental change inferred from the diatom records of the Echigo Plain, Japan, 117-130"Quaternary International. 115-116. 117-130 (2004)

[Publications] 小林 昌二: "新潟県内古代出土文字資料集成"新潟大学超域研究機構「大域的文化システムの再構成に関する史料学的研究」(代表者 關尾史郎). 230 (2004)

小林昌二新潟大学, 人文学部, 教授 (30036470)

[Publications] 小林昌二: "古代の蒲原津と「四度目沼垂町割図」"佐渡・越後文化交流史研究. 3号. 1-11 (2003)

[Publications] 芳井研一: "北洋漁業と地域杜会"新潟県立文書館紀要. 7号. 1-21 (2003)

[Publications] 芳井研一: "鮭と堰堤の相克史"新潟大学環日本海研究年報. 10号. 89-111 (2003)

[Publications] 矢田俊文: "戦禍・災害と人々の生活"論集『戦国の地域国家』. 289-316 (2003)

[Publications] 高濱信行: "Identification and characterization of a subsided barrier island in the Holocene alluvial plain, Niigata, central Japan"Quaternary International. 115-116. 93-104 (2004)

[Publications] 卜部厚志: "Holocene paleoenvironmental change inferred from the diatom records of the Echigo Plain, Japan, 117-130"Quaternary International. 115-116. 117-130 (2004)

[Publications] 小林昌二: "新潟県内古代出土文字資料集成"新潟大学超域研究機構「大域的文化システムの再構成に関する史料学的研究」(代表者關尾史郎). 230 (2004)