2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12301020
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
林 忠行 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (90156448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐原 徹哉 明治大学, 政治経済学部, 専任講師 (70254125)
北川 誠一 東北大学, 大学院・国際文化研究科, 教授 (50001813)
宇山 智彦 北海道大学, スラブ研究センター, 助教授 (40281852)
松里 公孝 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (20240640)
篠原 琢 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (20251564)
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Keywords | 東欧 / 中央ユーラシア / 近代 / ネイション / 国民 / 民族 / エスニシティ |
Research Abstract |
本年度は、7月10〜13日に本科研研究会の一貫として、国際シンポジウム経費を使って国際シンポジウムを北海道大学スラブ研究センターにおいて開催した。ロシア、米国、チェコ、ブルガリア、オーストリアから10人、日本から5人が報告者として参加し(ただし病気のため2名は報告書の提出のみの参加)、100人をこえる聴衆を集めた。それぞれの報告は「スラブ・ユーラシアにおける国民史の構築と脱構築」というテーマのもとで、南東欧、東中欧、旧ソ連地域にまたがる各国の「国民史」叙述をめぐる諸問題を歴史学、民族学、文学、美術などのさまざまな専門分野から検討を行った。普段はあまり接触のないこれらの領域の研究者が,「国民史」や「ナショナリズム」というキーワードを手がかりに対話を行い、一定の問題認識の共有を確認できたことが最大の成果といえる。なお、このシンポジウムで発表された報告は英文め論文集として北海道大学スラブ研究センターから出版される予定である。 さらに、2002年11月9〜10日に大阪で研究会を開催した。東欧における最近の民族問題の動向を斉藤厚、佐原徹哉、.林忠行が報告し、また前田弘毅が「グルジナ・ナショナリズムの源流」を検討する報告を行い、さらにロシア人とロシアなどの少数民族のアイデンティティを対象とする報告を伊賀上菜穂、P・ポダルコ、N・ヴァフチン、西村幹也がおこなった。この報告内容も、近日に出版される予定である。
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Research Products
(27 results)
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[Publications] 柴 宜弘: "ポスト杜会主義期のユーゴ政治"佐原徹哉編『ナショナリズムから共生の政治文化へ-ユーゴ内戦10年の経験から』(北海道大学スラブ研究センター). 3-11 (2002)
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[Publications] 月村太郎: "政治化トゥジマンと民族主義"佐原徹哉編『ナショナリズムから共生の政治文化へ-ユーゴ内戦10年の経験から』(北海道大学スラブ研究センター). 13-23 (2002)
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[Publications] 佐原徹哉: "ポスト社会主義期のボスニア人ナショナリズム"佐原徹哉編『ナショナリズムから共生の政治文化へ-ユーゴ内戦10年の経験から』(北海道大学スラブ研究センター). 25-39 (2002)
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[Publications] 定方 衛: "ユーゴスラヴィアの崩壊と非同盟外交"佐原徹哉編『ナショナリズムから共生の政治文化へ-ユーゴ内戦10年の経験から』(北海道大学スラブ研究センター). 43-57 (2002)
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[Publications] 中井和夫: "連邦解体再考"佐原徹哉編『ナショナリズムから共生の政治文化へ-ユーゴ内戦10年の経験から』(北海道大学スラブ研究センター). 59-71 (2002)
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[Publications] 岩田昌征: "旧ユーゴスラヴィア他民族戦争の情報像形成への一視角"佐原徹哉編『ナショナリズムから共生の政治文化へ-ユーゴ内戦10年の経験から』(北海道大学スラブ研究センター). 75-90 (2002)
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[Publications] 伊藤芳明: "旧ユーゴスラヴィア紛争とメディア"佐原徹哉編『ナショナリズムから共生の政治文化へ-ユーゴ内戦10年の経験から』(北海道大学スラブ研究センター). 91-103 (2002)
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[Publications] 波津博明: "英米メディアは旧ユーゴ紛争をどう伝えたか"佐原徹哉編『ナショナリズムから共生の政治文化へ-ユーゴ内戦10年の経験から』(北海道大学スラブ研究センター). 105-146 (2002)
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[Publications] 武者小路公秀: "NATOのセルビア空爆の教訓 21世紀覇権主義の原点"佐原徹哉編『ナショナリズムから共生の政治文化へ-ユーゴ内戦10年の経験から』(北海道大学スラブ研究センター). 147-153 (2002)
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[Publications] 飯塚正人: "ボスニア内戦とイスラーム世界"佐原徹哉編『ナショナリズムから共生の政治文化へ-ユーゴ内戦10年の経験から』(北海道大学スラブ研究センター). 155-163 (2002)
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[Publications] 金 敬黙: "紛争地域における市民社会の役割と責任"佐原徹哉編『ナショナリズムから共生の政治文化へ-ユーゴ内戦10年の経験から』(北海道大学スラブ研究センター). 167-188 (2002)
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[Publications] 浅川葉子: "旧ユーゴスラヴィア地域におけるNGOの見た現実とその取り組み"佐原徹哉編『ナショナリズムから共生の政治文化へ-ユーゴ内戦10年の経験から』(北海道大学スラブ研究センター). 189-206 (2002)
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[Publications] 中澤達也: "ナティオ概念の歴史的展開-18世紀のスロヴァキアを事例とする「社団国家」と「近代国民」"林忠行編『東欧・中央ユーラシアの近代とネイションII』[北海道大学スラブ研究センター研究報告シリーズ]. 89. 1-13 (2003)
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[Publications] 篠原 琢: "歴史主義の時代におけるチェコ「国民」の自己表象"林忠行編『東欧・中央ユーラシアの近代とネイションII』[北海道大学スラブ研究センター研究報告シリーズ]. 89. 15-22 (2003)
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[Publications] 福田 宏: "体操運動におけるチェコ系社会とドイツ系社会の分化-「他者」を「他者」と認識するとき"林忠行編『東欧・中央ユーラシアの近代とネイションII』[北海道大学スラブ研究センター研究報告シリーズ]. 89. 23-34 (2003)
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[Publications] 帯谷知可: "最近のウズベキスタンにおける国史編纂をめぐって-「民族独立理念」のもとでの「ウズベク民族の国家史」-"林忠行編『東欧・中央ユーラシアの近代とネイションII』[北海道大学スラブ研究センター研究報告シリーズ]. 89. 35-48 (2003)
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[Publications] 大石真一郎: "テュルク語定期刊行物における民族名称「ウィグル」の出現と定着"林忠行編『東欧・中央ユーラシアの近代とネイションII』[北海道大学スラブ研究センター研究報告シリーズ]. 89. 49-61 (2003)
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[Publications] German Kim: "Korean Diaspora in Kazakhstan : Question of Topical Problems for Minorities in Post-Soviet Space"林忠行編『東欧・中央ユーラシアの近代とネイションII』[北海道大学スラブ研究センター研究報告シリーズ]. 89. 63-74 (2003)
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[Publications] 佐原徹哉: "人々はなぜナショナリズムに惹かれるのか-ユーゴ内戦の経済的側面-"新日本文学. 636. 33-41 (2002)
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[Publications] 宇山智彦: "中央アジア草原知識人・英雄群像"しゃりばり. 242-246号. (2002)
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[Publications] 北川誠一: "コーカサスとイスラム"アジア遊学. 30. 51-58 (2002)
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[Publications] 佐原徹哉 編: "ナショナリズムから共生の政治文化へ-ユーゴ内戦10年の経験から"北海道大学スラブ研究センター. 206 (2002)
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[Publications] 林 忠行 編: "スラブ・ユーラシアの近代とネイションII"北海道大学スラブ研究センター. 74 (2003)
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[Publications] 佐原徹哉: "近代バルカン都市社会史:多元主義空間における宗教とエスニシティ"刀水書房. 502 (2003)
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[Publications] 宇山智彦 編: "中央アジアを知るための60章"明石書店. 317 (2003)
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[Publications] 北川誠一: "アフガニスタン爆撃に対するロシア・ムスリムの態度"東北大学. 16 (2003)
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[Publications] Kimitaka Matsuzato ed.: "Vesna narodov : Etnopoliticheskaia istoriia Volgo-Ural'skogo regiona.Sbornik dokumentov"Slavic Research Center, Hokkaido University. 206 (2002)