2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12303001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井堀 利宏 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40145652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八田 達夫 東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授 (70008647)
柴田 弘文 関東学園大学, 経済学部, 教授 (80112001)
田渕 隆俊 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70133014)
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Keywords | リスク管理 / 国際公共財 / ゲーム論 / 国際保険市場 / 不確実性 / 対外経済援助 / 地球環境汚染 / 国際自由貿易 |
Research Abstract |
本年度は外生的なリスク、戦略的なリスクのそれぞれについて、その大きさと国際社会に及ぼす影響について、調査した。とくに、地球環境保全技術やWTOに代表される国際自由貿易の利害調整体制に実際上の相克が起こる事例およびその対応策について、資料の調査と評価を行なった。これらの目的のために、アメリカ・ECなどへの調査、研究の打ち合わせを行なった。 また、そうしたメカニズムを説明できる理論的なモデルを構築した。特に、日本サイドの研究者は、外生的なリスクの分析を担当した。たとえば地球環境汚染の不確実性が上昇したとき、多国間での国際公共財の負担のあり方がどのように変化するのか、また、国際公共財の相対的な価格が上昇したとき、どのような影響が日本の経済厚生におよぶのかを、国際保険市場と国際公共財を考慮した一般均衡モデルを用いて分析した。 また、海外研究分担者サイドでの研究者は、戦略的なリスクの研究を分担した。たとえば、先進諸国の対外経済援助が、戦略的に相手国での政府や国民、さらには地球環境に与える効果について、理論的に研究した。特に、それを相手が予想している場合とそうでない場合とで、どのように影響されるのかをゲーム論の枠組みを用いて検討した。また、国際間のリスク管理のあり方を環境問題の政策協調の視点から研究するために、取引可能な移出権、炭素税、補助金などの環境保全政策の実施例の収集と評価も行なった。さらに、日本サイドの研究者との研究打ち合わせを行なった。
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[Publications] 井堀利宏: "Defense Expenditures and Allied Cooperation"Journal of Conflict Resolution. 44,6. 854-867 (2000)
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[Publications] Martin McGuire: "Managing Supply Uncertainties in an Era of Globalization"Journal of Conflict Resolution. 44,6. 730-752 (2000)
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[Publications] 井堀利宏: "A Dynamic Model of Fiscal Reconstruction"European Journal of Political Economy. (発表予定).
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[Publications] 井堀利宏: "Japanese Fiscal Reform : Fiscal Reconstruction and Fiscal Policy"Japan and the World Economy. (発表予定).
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[Publications] 井堀利宏: "Wealth Taxation and Economic Growth"Journal of Public Economics. 79,1. 129-148 (2001)
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[Publications] 田淵隆俊: "Urban Agglomeration Economies in Consumption and Production,"Journal of Urban Economics. Vol.48. 70-84 (2000)
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[Publications] 井堀利宏=Raymond Batina: "Consumption Tax Policy and the Taxation of Capital Income"Oxford University Press. 324 (2000)