2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12303003
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石井 淳蔵 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 教授 (50093498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 雅祥 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 教授 (60135928)
小川 進 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 助教授 (80214021)
高嶋 克義 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 教授 (30197090)
加登 豊 神戸大学, 大学院・経営学研究科, 教授 (70117993)
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Keywords | 顧客価値 / 価値創造 / 組織 / 営業 / 原価企画 / マーケティング / 知識 / 情報 |
Research Abstract |
本年度は,組織型顧客価値創造活動についての概念を整理し,その後,特に日本企業を対象に探索的事例研究を行った。顧客価値創造活動は,端的には営業活動に現れる。そこで我々は,これまでの営業に関する理論的研究を広く展望し,営業活動管理は主に二つの次元で整理できることを指摘した(小川・石井)。一つは,営業活動の結果(成果)を重視するものとその過程を重視するもの,そしてもう一つは,個人としての営業活動を重視する管理と組織としてそれを重視する管理である。そして我々はそのような理論的枠組みのもと,日本企業のメーカーと流通企業を対象に探索的な事例研究を行った。その結果,現在,日本ではより質の高い顧客価値を創造するために結果を重視する営業から過程を重視する営業へ,そして個人を重視する営業から組織的活動を重視する営業へとシフトが起こっていることを明らかにした。また,過程を重視し,それを組織として実践してゆく営業が,優れた営業ノウハウの組織的共有と営業活動の機敏な修正・変更,さらにはデジタル情報システム導入の容易化を可能にすることを指摘した。このような効果を引き出すことで市場環境の高い不確実性に対してより迅速にかつ的確に対応できるようになる。そのことを本年度の研究は明らかにした。 次年度には,本年度明らかになった発見物が他産業でも当てはまるか,当てはまらない場合は,どのような条件がその差を生むのかについて明らかにする予定である。例えば,高嶋の研究は電子商取引分野における顧客価値創造活動に独自の形態が存在する可能性を示唆している。そこで次年度では,石井は,消費財メーカーの立場から,高嶋は産業財メーカーを主な起点として,さらに小川は,流通企業,加登は,アメリカ企業を比較対象として実証研究を行なう予定である。
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[Publications] 石井淳蔵: "「適応の枠組みとしてのマーケティング・マネジメント」"国民経済雑誌. 182巻1号. 1-16 (2000)
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[Publications] 高嶋克義: "「インターネットによるB to Bコミュニケーションの変容」"日経広告研究所報. 34巻6号. 9-14 (2000)
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[Publications] 加登豊: "「日本的管理会計の海外移転:手法主導型導入とコンセプト主導型導入の比較分析」"会計. 157巻3号. 59-76 (2000)
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[Publications] 加登豊: "「シックスシグマ:管理会計への教訓」"企業会計. 53巻1号. 169-178 (2001)
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[Publications] 加登豊: "「サプライチェーン・マネジメント:組織間関係マネジメントの視点」"ビジネス・インサイト. 8巻3号. 30-39 (2000)
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[Publications] 加登豊: "「IT革命と今後の経営戦略」"関西経協(関西経営者協会機関誌). 54巻5号. 4-8 (2000)
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[Publications] 小川進: "イノベーションの発生論理"千倉書房. 316 (2000)
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[Publications] 小川進: "ディマンド・チェーン経営"日本経済新聞社. 232 (2000)
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[Publications] 加登豊: "ケースブック・コストマネジメント"新生社. 250 (2001)
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[Publications] 高嶋克義: "マーケティング・レビュー(池尾恭一 編)"同文館. 154-161 (2001)