2001 Fiscal Year Annual Research Report
反応拡散系における新しい展開―特異極限法の総合的研究
Project/Area Number |
12304006
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
三村 昌泰 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50068128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳田 英二 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80174548)
坂元 国望 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40243547)
太田 隆夫 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50127990)
辻川 亨 宮崎大学, 工学部, 教授 (10258288)
森田 善久 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10192783)
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Keywords | 特異極限法 / 界面ダイナミクス / 解の爆発 / 進行波 / 界面運動の数値解析 / ホモクリニック力学系 / 曲率方程式 |
Research Abstract |
融解、凝固、燃焼等の成長パターン、生物系に現れる集合、棲み分けパターン、高分子系に現れる相分離パターン等の多くは反応拡散系で記述される。本研究ではこのようなパターンを数理的に理解するために、その本質的な部分のみ取り出す特異極限法の開発を色々な視点から進めてきた。申請した研究課題のもとで得られた成果を理論およびそれを相補する数値解析の点から順を追って述べる。生物系に現れる凝集コロニーパターン構造を非線形力学系の視点から明らかにした(高木、柳田)、一方、走化性効果を持つ生物系対して、界面ダイナミクス、自己相似解法をを用いてそこに現れる集合パターンの解析を行なった(辻川、永井)。更に、高分子系や2相系、競合系等に現れる相分離問題に対して、特異極限法、界面ダイナミクス法を駆使して界面の遷移過程における運動を論じることに成功した(三村、太田)、以上の問題の基礎的な研究として、高次元問題における平均曲率流の定性的研究を発展させた(石井、坂元)。 反応拡散系に現れる時空間パターンとして進行波解がある。この解の存在および安定性を特異摂動法、力学系理論から考察することに成功し(池国(榮))、その延長として、進行波解の相互作用の研究を発展させた(三村、栄)。最後に以上の理論的結果と相補する立場から、反応拡散系から導出される界面運動、自由境界問題の数値解析の研究が進められた(池田(勉)、木村)。以上のように、研究実績は反応拡散系に現れる時空間パターンの数理的研究に向けて、特異極限法の開発を押し進めることである。
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Research Products
(10 results)
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[Publications] M.Mimura: "A competition-diffusion system approximation to the classical two-phase Stefan problem"Japan J. Industrial and Appl. Mathematics. Vol. 18. 161-180 (2001)
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[Publications] M.Mimura: "Pulse-pulse interaction in reaction-diffusion systems"Physica D. (in press). (2002)
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[Publications] T.Ohta: "Pulse dynamics in a reaction-diffusion system"Physica D. 151. 61-72 (2001)
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[Publications] T.Ohta: "Self-Propulsion of Cellular Structures in Chemically Reacting Mixtures"Physical Review. E64. 045201-1-045201-4 (2001)
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[Publications] E.Yanagida: "Life span of solutions with large initial data in a semilinear parabolic equation"Indiana Math. J.. 50. 591-610 (2001)
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[Publications] E.Yanagida: "Monotonicity of stable solutions in shadow systems"Trans. Amer. Math. Soc.. 353. 5057-5069 (2001)
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[Publications] Y.Morita: "Breaking Homoclinic Bifurcations in Diffusively Coupled Equations"J. Dynamics and Differential Equations. Vol. 13. 613-649 (2001)
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[Publications] T.Tsujikawa: "Exponential attractor for a chemotaxis-growth system of equations"Nonlinear Analysis. (in press).
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[Publications] K.Sakamoto: "Internal Layers Intersecting the Boundary of Domain in the Allen-Cahn Equation"Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics. Vol. 18・No. 3. 697-738 (2001)
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[Publications] 柳田英二, 榮伸一朗: "微分方程式論"朝倉書店. 1-224 (2002)