2002 Fiscal Year Annual Research Report
グライセン限界(10^<20>eV)を超える最高エネルギー宇宙線の研究
Project/Area Number |
12304012
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Research Institution | Institute for Cosmic Ray Research, The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林田 直明 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (50114616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 滋 千葉大学, 理学部, 助教授 (00272518)
瀧田 直人 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (20202161)
福島 正己 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (30241227)
千川 道幸 近畿大学, 理工学部, 助教授 (50179941)
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Keywords | 宇宙線 / チェレンコフ光 / シンチレーション光 / ライダー |
Research Abstract |
東京大学宇宙線研究所明野観測所に位置するAGASAは、過去12年の観測で、グライセン限界(10^<20>eV)を超える宇宙線を11例観測している。宇宙を満たす3K背景輻射と超高エネルギー宇宙線が衝突により光パイオン生成のチャンネルが開くのがこのエネルギーである。この相互作用は宇宙線のエネルギー損失となる。AGASAはこのカットオフエネルギーを超えて宇宙線を測定しており、非常に興味深い。本研究計画では、この実験結果をより確かなものにするために、チェレンコフ・シンチレーション検出器(CRIS…Cosmic Ray Imaging System)を明野中央に設置し、AGASAのエネルギー較正実験を行った。 平成12年度、平成13年度で、AGASA上空2ステラジアンを覆うCRIS検出器、大気透明度を測定するライダーシステムが完成させた。ライダーシステムは平成13年度冬には、本格稼動し、大気透明度のモニター方法を確立することができた。この結果はNucl. Instr.&Meth.にすでに公開済みである。平成14年度には、CRISを用い、冬季の大気透明度が高い時期に約300時間の宇宙線空気シャワー観測を行った。この観測では、チェレンスフ光による宇宙線の検出を最適化した。この結果、1014eV〜1016eVの宇宙線を約10,000例検出し、knee領域のエネルギースペクトルの研究を行った。
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[Publications] K.Shinozaki et al.: "Upper Limit on Gamma-Ray Flux above 10^<19>eV Estimated by the Akeno Giant Air Shower Array Experiment"Astrophys J.. 571. L117-L120 (2002)
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[Publications] T.Yamamoto et al.: "Development of Atmospheric Monitoring System at Akeno Observatory for the Telescope Array Project"Nucl.Instrum.Meth.. A488. 191-208 (2002)
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[Publications] Y.Uchihori et al.: "Cluster analysis of extremely high energy cosmic rays in the northern sky"Astro Particle Physics. 13. 151-160 (2000)
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[Publications] M.Takeda et al.: "Energy determination in the Akeno Giant Air Shower Array experiment"Astro Particle Physics astrop-ph/0209422. (掲載決定). (2003)