2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12304014
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
増田 康博 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (60150009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 祐司 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (00224840)
能町 正治 大阪大学, 理学部, 教授 (90208299)
鬼柳 善明 北海道大学, 工学部, 教授 (80002202)
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Keywords | 超冷中性子 / 対称性 |
Research Abstract |
中高エネルギー陽子ビームによるスパレーション反応で発生する中性子と超流動ヘリウムを用いた超冷中性子発生を行うため、実験装置の設計と製作を行った。スパレーション反応で発生する速中性子(MeV領域のエネルギーを持つ中性子)は、常温の重水と20K重水の熱中性子、冷中性子モデレータで冷中性子(meV領域のエネルギーを持つ中性子)まで減速される。その後、超流動ヘリウム内で、冷中性子が超冷中性子(300neV以下の中性子)に変換される。設計のポイントは、超流動ヘリウム内の冷中性子強度をできるだけ大きくし、かつ超流動ヘリウム内で発生するγ発熱をできるだけ押さえることにある。陽子ビームによって発生する冷中性子束の大きさ、そして、陽子ビーム照射と中性子発生に伴う発熱の大きさをモンテカルロ計算によって求めた。同じ陽子ビーム電流においても、発生する冷中性子強度とγ発熱は、中性子発生陽子ビーム標的、熱中性子、冷中性子モデレータ、そして超流動ヘリウム容器等の形状によって大きく変化する。最適の形状をモンテカルロ計算により探究した。また、モンテカルロ計算によるγ発熱の研究に加え、外部より超流動ヘリウム生成冷凍器に流入する熱量をいかに軽減するか、また、超流動ヘリウム内に流入する熱をいかに取るかを探究し、それらの研究結果を超冷中性子発生用冷凍器の設計に反映させ、それに基づき製作を行った。結果は、2000年度、6月に行われた米国ノースカロライナでの国際会議、9月ロスアラモスでの国際会議、そして11月日本での国際会議で、計3件の招待講演、そして3件の一般講演として発表した。
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