2000 Fiscal Year Annual Research Report
海底の位置と海水の3次元速度構造の同時決定-海底測位の飛躍的向上をめざして-
Project/Area Number |
12304023
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安藤 雅孝 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80027292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 功夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60022670)
片尾 浩 京都大学, 防災研究所, 助教授 (80221878)
平原 和朗 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40165197)
田所 敬一 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70324390)
満澤 巨彦 海洋科学技術センター, 研究員
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Keywords | 海底地殻変動 / 音響測距 / キネマティックGPS / プレート境界地震 / 南海トラフ |
Research Abstract |
12年度の基礎実験は,以下の期間・海域で行なった: 実験1:2000年6月潮岬東方沖水深1100m 実験2:2000年10月駿河湾内水深1450m 実験3:2001年1月駿河湾内水深1450m 海底局の位置決定精度を上げるための工夫として,船を流しながら連続的に海底局の両側数本の測線上で面的に測距を行なった.実験1では,海底局の水平方向位置決定誤差は20cmであった.その誤差が実験2では11cmに低下した.さらにGPS測位のエラーが約1m以内のデータだけを用いて再決定したところ,海底局位置決定誤差が5cmに改善した.これらの実験から,我々のシステムの精度は確実に上昇しているといえる.さらに我々は,2つのキネマティックGPS精度評価実験を行なった.最初の実験では,基地局を宇治市に設置し,約110km離れた名古屋に移動局を設置した.この実験の結果,基線長が100kmを越える場合でも,移動距離が短ければ1〜2cmの精度があることが確認された.次に,アンテナを長距離移動させたときの精度評価のために,三河湾内で漁船による移動実験を行なった.基線長は15〜20kmである.この実験の結果,衛星配置が不安定な場合は,最初50〜100cmずれた位置に決まり,10分以上かけて真の座標に収束することが分かった.衛星配置が安定している場合は,精度1cm以内におさまった.本年度に行なった基礎実験により,キネマティックGPSの精度さえクリアできれば,我々のシステムは実用に耐えうるものであることが明らかになった.GPSに関しても,衛星配置などを見極めてデータを選択すれば,長基線および移動による精度の低下はないことが確認された.
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