2002 Fiscal Year Annual Research Report
多連続不斉中心を含む鎖状系有機分子構築法の開発と天然物合成への応用
Project/Area Number |
12304042
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮下 正昭 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50006326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷野 圭持 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40217146)
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Keywords | エポキシドの立体特異的相互変換 / アセチレンジコバルト錯体 / 付加環化反応 / インゲノール / サイトファイシンC / ジンコフォリン / 不斉全合成 / 立体特異的鎖状有機分子構築法 |
Research Abstract |
(1)シスおよびトランスエポキシドの立体特異的相互変換 「シスおよびトランスエポキシドの立体特異的相互変換」をエポキシスルフィドを基質とし,二重立体反転を伴うハロゲン置換反応を設計することにより,世界に先駆けて達成した。これらの成果をドイツ化学会誌(Angew. Chem. Int. Ed.)に発表した。 (2)アセチレンジコバルト錯体を基軸とする分子間[5+2]型付加環化反応の開発 アセチレンジコバルト錯体を5炭素ユニットとし,シリルエノールエーテルを2炭素ユニットとする分子間[5+2]型付加環化反応を考案し,シクロヘプタノン類の高立体選択的合成を達成した。成果をアメリカ化学会(Org. Lett.)に発表。 (3)インゲノールの全合成 トウダイグサ科の植物から単離されたジテルペンで発癌プロモータ活性や抗白血病活性など特異な生理活性を示すインゲノールの全合成および不斉全合成を達成した。これらの成果をアメリカ化学会誌(J. Am. Chem. Soc.)に発表。 (4)サイトファイシンCの立体選択的全合成 独自に開発した立体特異的鎖状有機分子構築法を基盤とし,強力な抗癌活性を示す海産天然物サイトファイシンCの立体選択的全合成を達成した。成果をAngew. Chem. Int. Ed.誌に投稿中。 (5)Zn(II)イオンを取り込む特異な抗生物質ジンコフォリンの高立体選択的全合成 新たに開発した立体特異的鎖状有機分子構築法を基軸とし,Zn(II)イオンを取り込む特異な抗生物質ジンコフォリンの高立体選択的全合成を達成した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Atsushi Hirai: "Stereospecific Interconversion between cis-and trans-2,3-Epoxy Sulfides"Angew. Chem. Int. Ed.. 41・5. 819-821 (2002)
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[Publications] Mio Sakai: "Synthetic studies of zoanthamine alkaloids. Stereoselective synthesis of the ABC ring system of norzoanthamine by an intramolecular Diels-Alder reaction"Tetrahedron Lett.. 43・9. 1705-1708 (2002)
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[Publications] Keiji Tanino: "Stereoselective Synthesis of Cycloheptanone Derivatives via an Intermolecular[5+2]Cycloaddition Reaction"Org. Lett.. 4・13. 2217-2219 (2002)
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[Publications] Keiji Tanino: "Total Synthesis of Ingenol"J. Am. Chem. Soc.. 125・61. 1498-1500 (2003)