2001 Fiscal Year Annual Research Report
背血管型心臓の体節動物における循環系神経支配の中枢および末梢神経機構
Project/Area Number |
12304050
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
桑沢 清明 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (10015589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 幸正 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (60049856)
山崎 柄根 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (90008714)
黒川 信 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (50211222)
山岸 宏 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (80092534)
泉 進 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (10145659)
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Keywords | カイコガ / ミミズ / カギムシ / セロトニン / オクトパミン / アセチルコリン / FMRFアミド / 心臓 |
Research Abstract |
管状型心臓をもつ動物は昆虫、有爪動物、環形動物である。これらの動物群の実験動物を用いて研究を進めた。 1.鱗翅目昆虫カイコガ、エビガラスズメの心臓(背行血管)とこれを保持する翼状筋の神経およびホルモン支配について電気生理学、薬理学、免疫細胞化学的方法により次のような結論を得た。1)大動脈または心臓前方は前頭神経節から出る内臓神経を経てオクトパミン作動性興奮性神経の支配を受けているといえる。2)心臓後端部はセロトニン興奮性支配を受けている可能性がある。3)同部域は側心体から抑制性神経分泌細胞の支配を受けていることが示唆された。4)第1翼状筋は同神経を経てセロトニン作動性興奮性神経支配を受けている。一方、5)全体節の翼筋状はアセチルコリン(ACh)やグルタミン酸作動性神経支配を受けている可能性がある。6)モノアミンの翼状筋への効果は多様であった。 2.ミミズの心臓(背行血管と側心臓)について1.と同様な方法により研究した。1)両心臓とも独立的に興奮と抑制の二重神経支配を受けている。側心臓心筋細胞から興奮性および抑制性神経筋接合部電位の記録に成功した。2)AChは両心臓の興奮性ホルモン候補である。3)側心臓の興奮性神経はセロトニン作動性軸索を含むことを明らかにした。4)腹髄神経節の第3根から分枝する隔膜神経が側心臓神経神経を含むことを明らかにした。5)心臓興奮性ニューロン細胞体は腹髄神経節同側背側にあるらしい。 3.稀少動物で節足、環形動物のmissing-linkとも言われる有爪動物カギムシ(Euparipatoides kanangransis) を、オーストラリアで採集して実験室での繁殖・飼育に成功した。免疫細胞化学法により心臓調節神経にセロトニンおよびFMRFアミド作動性神経が含まれることを発見した。これをもとに生理学実験用装置等を開発中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Ohsuga, K.Kuwasawa, T.Yamasaki, N.Tait, K.Ikeda, M.Otokawa: "Neuroanatomical and immunocytochemical studies on innervation of the heart in the onychophoran Euperpatoides kanangrensis"Abstract : Society for Experimental Biology. (Animal and Cell Biology Abstract). 50 (2001)
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[Publications] S.Chiken, K.Kuwasawa, M.Kurokawa, K.Ohsuga: "Amino acid-induced reflexes and their neural pathways in a opisthobranch molluisc Pleurobranchaea japonica"Zoological Science. 18. 465-473 (2001)
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[Publications] Ando Y., O.Matsuzaki, H.Yamagishi: "Cardiac nervous system in the ostracode crustacean Vargula hilgendorfii"Zoological Science. 18. 651-658 (2001)
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[Publications] T.Matsushita, K.Kuwasawa, K.Uchimura, H.Ai, M.Kurokawa: "Neurohumors Involved in Neural Mechanisms for Heartbeat Reversal in the Lepidopteran Insects, Agrius convolvuli and Bombyx mori"Comparative Biochemistry Physiology A. (in press). (2002)