2001 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスケール領域におけるピコ秒振動のリアルタイムマッピング
Project/Area Number |
12305007
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 理 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30239024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 克彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60301933)
武藤 俊一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00114900)
B. Wright Oliver 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90281790)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / ピコ秒モードロックレーザー / ポンプ・プローブ法 / ヘテロダイン検出法 / 非線型相互作用 / 局所的弾性率 |
Research Abstract |
本研究は、ナノメートルスケールの空間分解能、ピコ秒領域の時間分解能をあわせ持つ新しい顕微鏡の開発を目的とする。走査型トンネル顕微鏡、走査型原子間力顕微鏡の発明によって、我々はナノメートルスケールの空間分解能を持つ顕微鏡を手にした。その発展形として、ピコ秒の時間領域での動的現象をナノメートルスケールの空間分解能を持って観測する要求が生まれた。このような要求を実現するひとつの方法は超短パルスレーザーと超高速光スイッチを走査型トンネル顕微鏡と組み合わせることであるが、探針試料間の浮遊容量の影響により、高速動作時の空間分解能が制限される。そこで我々は、超短レーザーパルス照射によって誘起される超高速フォノンパルスの伝搬の様子を原子間力顕微鏡で検出する方法を検討した。 フェムト秒モードロックレーザーからの光パルスを2つの光路に分け、光学遅延を用いてそれぞれの光路を進む光パルス間に±1ns程度の範囲の時間差を与える。また、それぞれの光パルス列を2種類の異なる周波数で変調する。これら2つの光路を通り変調を受けた光パルスを金属単層薄膜試料に照射し、試料中に超高速のフォノンパルスを励起する。フォノンパルスによる試料表面の周期的な変位を、原子間力顕微鏡で検出する実験を行った。また関連研究として、超音波力顕微鏡によるナノスケール横分解能の弾性的性質評価技術の研究および半導体量子井戸構造を用いた超高速フォノンパルス励起の研究を行った。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] O. Matsuda: "Cantilever dynamics in ultrasonic force microscopy"Japanese Journal of Applied Physics. (in press). (2002)
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[Publications] K. Inagaki: "Hysteresis of the cantilever shift in ultrasonic force microscopy"Applied Physics Letters. 80・12(in press). (2002)
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[Publications] O. Matsuda: "Wavelength selective photoexcitation of picosecond aboustic-phonon pulses in a triple GaAs/Al_<0.3>Ga_<0.7>As quantum well structure"Physica B. (in press). (2002)