2002 Fiscal Year Annual Research Report
超長寿命領域における実働荷重下の疲労破壊機構の解明と疲労寿命推定法の研究
Project/Area Number |
12305009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
城野 政弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20029094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植松 美彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80273580)
菅田 淳 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60162913)
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Keywords | 疲労強度 / 超長寿命 / 変動荷重 / 損傷評価 / 余寿命予測 / き裂進展 / S-N曲線 / 微視的観察 |
Research Abstract |
高炭素クロム軸受け鋼SUJ2を用いて,4連式片持ち回転曲げ疲労試験機により超長寿命域を含む一定荷重試験,二段二重変動荷重試験および二段繰返し変動荷重試験を行った.その結果一定振幅荷重試験では,疲労き裂の発生起点により内部起点型破断と表面起点型破断の2つのタイプに分類でき,S-N曲線は破壊のタイプに依存した二重S-N曲線となることが判明した.ここで内部起点型破断の場合,破面上にはFish-eyeとその中心には起点となる介在物が確認された.また介在物の周辺にはFish-eyeとは異なる,細粒状の特徴的な破面領域が確認され,Fine Granular Area(FGA)と定義された.一定荷重試験では,FGAの面積の平方根から応力拡大係数範囲が計算され,その値が疲労き裂の下限界応力拡大係数範囲にほぼ一致することが判明し,繰返し荷重によりまずFGAが形成され,その後FGAから疲労き裂が進展してFish-eyeが形成されると推測された. 変動荷重試験においても,破断タイプは内部起点型と表面起点型に分類される.破面上に見られるFGA寸法から応力拡大係数範囲を計算すると,高レベル荷重から計算される値が下限界応力拡大係数範囲とほぼ一致することが判明した.すなわちFGAの形成には高,低レベル応力が寄与するが,Fish-eyeき裂への移行には高レベル応力が寄与する.また内部起点型破壊に対する累積損傷則が提案され,FGAの形成寿命とFGAからのFish-eyeき裂の進展寿命を分離して考慮することが有効であることが示された. クロムモリブデン鋼SCM435材に対しては,1kHz油圧サーボ試験機により超長寿命域を含む一定荷重試験と二段繰返し変動荷重試験を行った.一定荷重試験では表面起点型破壊のみが観察されること,変動荷重下ではCorten-Dolanの方法が,損傷則の修正に有効であることが分かった.
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Research Products
(1 results)