2001 Fiscal Year Annual Research Report
ランダム媒質中の導体標的イメージング法の開発に関する研究
Project/Area Number |
12305027
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
立居場 光生 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (40037924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 剛志 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (40325551)
石田 健一 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (00294885)
藤崎 清孝 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教授 (20253487)
孟 志奇 福岡大学, 工学部, 助教授
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Keywords | ランダム媒質 / レーダ断面積 / 散乱特性 / 標的探知 / 電磁波探査 / 多重散乱 / 輸送方程式 |
Research Abstract |
昨年度同様大枠として次の2つの課題に取組む計画を立てた。 1.乱流媒質及び多数の粒子分布媒質中の任意形状(凹状を含む)導体のレーダ断面積の特徴解明 2.多数の粒子からなるランダム媒質の散乱断面積の算定 課題1に対しては、導体円柱が乱流媒質に囲まれている場合に、バイスタテイックレーダ断面積が、入射波の空間コヒーレンス長が円半径より大きい場合には正確に算定でき、従来予想されていなかった興味ある特徴を呈することにおよびその原因を明らかにした。更に、凹凸のある断面に対しては数値解析が可能であることを実例で示した。現在その具体的な特徴解析が本格的に行われており、次年度にそれが明らかにされよう。モノスタティックレーダ断面積は凹凸のある断面に対して後方強調散乱強調の特徴がほぼ解明された。更に工学的に有用な簡易モデルを用いた算定法の提案を試み、将来の重要な課題として研究する価値があることが指摘した。千個以上の誘電体粒子による散乱の計算機シミュレーションを開始し、その計算量およびメモリ量を明らかにして、最適な方法を提案できる段階に達した。 課題2に対しては、我々が開発した多重散乱理論に基づくベクトル放射輸送方程式の数値解析により、多数の水滴の集まりであるランダム媒質の散乱断面積を算定し、土中水分含有率のマイクロ波リモートセンシングの一方法を提案した。人工材料研究の最近の進展を考慮して、キラル粒子が多数分布したランダム媒質の電気・磁気特性を算定できるようにするため、従来の手法の特徴および問題点を定量的に究明している。また、我々の多重散乱理論に基づく算定法の開発についても検討を開始した。この研究は次年度に引き継がれる。 以上のように、当初予定された課題はほぼ順調に解決された。その結果は国内外の学術論文誌、学会、研究会等で一部公表され、平成14年度開催予定の国際会議でも一部紹介されよう。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] 平本美智代 他: "2層キラル球からなるランダム媒質の等価伝搬定数の準結晶近似法による解析"電気学会電磁界理論研究会資料. 25-30(EMT-01-47) (2001)
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[Publications] 中嶋徳正 他: "高速多重極法を用いた導体円柱散乱の数値計算 -高速フーリエ変換の適用-"電気学会電磁界理論研究会資料. 1-6(EMT-01-50) (2001)
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[Publications] Y.Nanbu et al.: "Effective constitutive parameters of a sparse medium containing randomly distributed chiral spheres"2001 IEEE AP-S Int. Sympo. & USNC/URSI National Radio Science Meeting. 3. 322-325 (2001)
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[Publications] H.El Ocla et al.: "Enhancement of radar cross-section of partially convex targets in continuous random media for circularly plarized wave incidence"2001 IEEE AP-S mt. Sympo. & USNC/URSI National Radio Science Meetin. 4. 360-363 (2001)
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[Publications] Y.Nanbu et al.: "The effective properties of a random medium containing chiral spheres (in vited)"Proc. and Abstracts of 2001 Far-Eastern School-Seminar on Mathematical Modeling and Numerical Analysis. 98-103 (2001)
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[Publications] M.Tateiba et al.: "A comparative study of the scattering cross section of a random medium layer containing particles in a homogeneous background medium (invited)"Proc. and Abstracts of 2001 Far-Eastern School-Seminar on Mathematical Modeling and Numerical Analysis. 189-194 (2001)
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[Publications] Y.Nanbu et al.: "Effective constitutive parameters of a sparse medium containing high dielectric chiral spheres"Proc. 2001 Korea-Japan AP/EMC/EMT Joint Conf.. 121-124 (2001)
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[Publications] H.El Ocla et al.: "Analysis of backscattering enhancement for complex targets in continuous r media for H-wave incidence"IEICE Transactions on Communications. E84-B・9. 2583-2588 (2001)
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[Publications] 中嶋 徳正 他: "高速多重極法を用いた多数の導体円柱による電磁波散乱の数値計算---混合界形積分方程式の適用---"電気学会電磁界理論研究会資料. 31-36(EMT-01-67) (2001)
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[Publications] M.Tateiba et al.: "An indirect estimate of RCS of conducting cylinder in random medium"電気学会電磁界理論研究会資料. 51-56(EMT-01-118) (2001)
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[Publications] 中島 正雄 他: "ランダム媒質に囲まれた凹凸のある導体柱のバイスタティックレーダ断面積の数値解析"電気学会電磁界理論研究会資料. 63-68(EMT-01-120) (2001)
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[Publications] 南部 幸久 他: "キラル球が密に分布したランダム媒質の等価伝搬定数の数値解析"電気学会電磁界理論研究会資料. 37-42(EMT-01-129) (2001)
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[Publications] 立居場 光生 他: "ランダム媒質に囲まれた導体標的のレーダ断面積"電子情報通信学会論文誌. J84-C・11. 1031-1039 (2001)
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[Publications] T.Matsuoka et al.: "Numerical analysis of scattered power from a layer of random medium containing many particles of high dielectric constant --application to the detection of a water content of soil"Progress In Electromagnetics Research. 33. 199-218 (2001)