2002 Fiscal Year Annual Research Report
風によるケーブル振動の屋外観測並びにその挙動評価に関する研究
Project/Area Number |
12305030
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 勝 京都大学, 工学研究科, 教授 (00026270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 知己 京都大学, 工学研究科, 助手 (30293905)
林 泰一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (10111981)
白土 博通 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70150323)
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Keywords | 斜張橋ケーブル / レインバイブレーション / 高風速渦励振 / ギャロッピング / カルマン渦 / 屋外観測 |
Research Abstract |
本研究では,斜張橋ケーブルの高風速渦励振・レインバイブレーションの発生メカニズムの解明を目指すと共に,発散型振動であるギャロッピングについて,風洞実験ならびに大型ケーブル模型を用いた屋外観測実験によって検討を加えた. 屋外観測実験では,3種類の傾斜ケーブルモデルを用いて観測を行い以下の結果を得た. ●降雨時に振幅が大きくなる傾斜が見られ,レインバイブレーションと考えられる振動現象が見られた. ●台風の通過時に面外1次モードの大振幅振動が観測され,ギャロッピング振動の可能性が示唆された. 風洞実験において得られた成果を以下に述べる. ●傾斜なしケーブル模型後流域にスプリッタープレートを挿入し,その位置を変化させることで,傾斜ケーブルにおける軸方向流の形成位置の影響を加味し,水路位置の変化の効果とを併せて傾斜ケーブルにおける静的空気力特性を評価した.その結果,風洞実験と準定常解析の結果は符合せず,特に風洞実験においてV/fD=40付近で発生した高風速渦励振のような振動応答は準定常解析からは得られなかった.このことは,高風速渦励振が準定常解析では説明できない可能性を示唆している. ●水路位置のケーブルスパン方向における非一様性,およびその特定の形成位置が高風速渦励振の発生に関連していることが示唆された.更に,模型スパン方向に水路位置を変化させることで2つのカルマン渦放出周波数が生じ,それらの周波数の差から無次元風速を算出すると,おおよそ風速限定型振動の発現風速域と一致することが判明した.
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[Publications] 松本 勝: "風による斜張橋ケーブル振動の屋外観測"京都大学防災研究所年報. 第44号B-1. 137-145 (2001)
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[Publications] 松本 勝: "屋外大型傾斜ケーブル模型を用いた斜張橋ケーブルの空力振動に関する研究"京都大学防災研究所年報. 第45号B. 399-406 (2002)
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[Publications] 松本 勝: "風洞実験及び屋外動態観測に基づく傾斜ケーブルの空力振動現象に関する研究"第17回風工学シンポジウム論文集. 369-374 (2002)
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[Publications] Masaru Matsumoto: "Rain-wind-induced vibration of inclined cables at limited high reduced wind velocity region"Journal of Wind Engineering and Industrial Aerodynamics. Vol.91. 1-12 (2003)
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[Publications] Masaru Matsumoto: "Field observation of the full-scale wind-induced cable vibration"Journal of Wind Engineering and Industrial Aerodynamics. Vol.91. 13-26 (2003)