2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12305037
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高橋 信之 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 教授 (80257203)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
デワンカー バート 北九州市立大学, 国際環境工学部, 助教授 (60308187)
尾島 俊雄 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20063670)
|
Keywords | 河川 / 蓋掛河川 / ヒートアイランド / 親水 / 河川再生 / 湧水 / 廃止河川 |
Research Abstract |
東京都区部において多くの河川に蓋が掛けられている現状があり、親水やヒートアイランドの問題からこの蓋掛河川を再生しようという動きがある。蓋掛河川とは現場打ちコンクリート或いはボックスカルバート工法により、河道幅員を部分的または全体的に覆蓋化した構造形態の流路部分、および暗渠化された水路を指す。今年度の研究においては、まず蓋掛河川再生の妨げとなる要因の調査をし、これらをもとにした再生のための条件を提案し、河川再生の可能性を考果した。その結果、蓋掛河川の再生に必要な物理的条件は1.上部空面の空面的余裕2.水量確保3.水質改善の3点であるとし、現在再生可能な物理的条件の揃っている蓋掛河川は全体の0.7%であるとの結果を得た。また、再生の阻害要因として、1.上部空間が道路・宅地になっている2.水量の確保ができない3.緑道・公園の道幅の余裕がないの 3点を指摘し、今後の重要な課題として住民合意の必要性を挙げている。次に、実際に再生された河川も存在するがその形態に関してスムーズに決まっていない現状と、現在蓋掛河川の断面形態に関しての現状がまとめられていないことに着目し、蓋掛河川の断面状況をまとめ分類することで再生する河川の形態の選択基準を明らかにし、それぞれの蓋掛河川に適した再生形態に関して研究を行った。その結果、再生された水路の98%は上部を掘削することで再生していることを明らかにした。また、蓋掛河川の中で最も多い形態は、上部を掘削することで再生できる形態で90%以上を占めており、多くの蓋掛河川の断面は、上部を掘り水路を設けるという再生形態に適しているとの結論を得た。また、今後の取り組むべき課題として、ヒートアイランド対策としての河川の重要性に関しての研究を一層進めるとともに、蓋掛河川の管理団体が連携して再生に取り組む必要性を指摘した。
|
-
[Publications] 高橋信之: "東京都区部における湧水を利用した蓋掛河川再生に関する調査研究"2002年度日本建築学会 大会学術講演梗概集. D-1分冊. 503 (2002)
-
[Publications] 佐藤円佳: "東京都区部における蓋掛河川再生のための条件に関する研究"2002年度日本建築学会 関東支部研究報告集. 1巻. 619 (2003)
-
[Publications] 久保村大輔: "東京都区部における蓋掛河川の断面形態に関する調査研究"2002年度日本建築学会 関東支部研究報告集. 1巻. 623 (2003)