2000 Fiscal Year Annual Research Report
高誘電率フォトニック結晶ゲル及びセラミックスの低温合成と電気・光学結合特性
| Project/Area Number |
12305042
|
|---|
| Research Institution | The University of Tokyo |
|---|
Principal Investigator |
桑原 誠 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40039136)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 弘文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00282690)
宮澤 薫一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (60182010)
|
|---|
| Keywords | ゲル発生体 / チタン酸バリウム / 希土類元素 / 高濃度ゾル-ゲル / 透明ゲル / ナノ結晶 / YAGレーザー / 単一寿命 |
|---|
| Research Abstract |
これまでに、申請者らが独自に開発した高濃度ゾル-ゲル法により作製したEu元素添加チタン酸バリウムゲルが強い発光を示すことを見出した。本研究ではゲルの組成と作製条件及び希土類元素の添加量がゲルの発光特性に与える影響を定量的に解明することを目的としている。以下に本年度で得られた成果を記す。
1)0.1及び1.0at.%Eu元素を添加した1.0mol/Lの高濃度Ba.Ti前駆体溶液を水蒸気加水分解することにより、結晶子サイズ8nm程度の部分結晶化Eu添加BaTiO_3乾燥ゲルが得られた。
2)Nd:YAGパルスレーザー励起の光パラメトリック発振器(OPO、線幅<10cm^<-1>)を用い、室温でゲルの発光特性の評価を行った。その結果、波長466nm(^7F_0-^5D_2遷移に対応)の励起光に対して、波長466nm(^5D_0-^7F_2遷移に対応)の強い発光が観測された。また、0.1%より1.0at.%添加試料の方が強く発光し、1.0at.%でも濃度消光は起きていないことが分かった。
3)パルスレーザー励起によるEu^<3+>イオンの^5D_0-^7F_2発光の減衰曲線から、Eu添加乾燥ゲルの蛍光寿命の測定を10-300Kの温度範囲で行った。その結果、減衰曲線は単一の寿命(約0.6ms)で表される(緩和は輻射遷移のみによる)ことが判明したが、寿命の明確な温度依存性を見出すことはできなかった
4)ゲルの組成をBaTiO_33からTiO_2側へ変化させた(即ち、BaTiO_3とBa_<0.5>TiO_3)ときの発光特性の変化について検討を行った。その結果、Ba_<0.5>TiO_3に対してBaTiO_3より強い発光が観測された。これは、Ba_<0.5>TiO_3ゲルは非晶質でBaTiO_3は結晶化していることから、ゲル粒子の屈折率に起因していると考えられるが、まだその詳細は不明である。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 桑原誠: "透明な機能性セラミックス"まてりあ. 39・2. 79-83 (2000)
-
[Publications] H.Matsuda,N.Kobayashi,T.Kobayashi,K.Miyazawa,and M.Kuwabara: "Room-Temperature Synthesis of Crystalline Barium Titante Thin Films by High-Concentration Sol-Gel Method"J.Non-Cryst.Solids. 271. 162-166 (2000)
-
[Publications] H.Shimooka,S.Kohiki,T.Kobayashi,and M.Kuwabara: "Preparation of Translucent Barium Titanate Ceramics from Sol-Gel-Derived Transparent Monolithic Gels"J.Mater.Chem. 10. 1511-1512 (2000)
-
[Publications] N.Kobayashi,H.Matsuda,K.Miyazawa,and M.Kuwabara: "Synthesis of Crystalline Barium Titanate Thin Films by Gel-Aging Process on Substrate at Room Temperature"Publ.Ceram.Soc.Jpn.. 6. 81-84 (2000)
-
[Publications] H.Matsuda,K.Miyazawa,M.Kuwabara: "Luminescence Properties of Er3+ Ions in Barium Titanate Gel Fibers"Trans.of MRS-J. (in press). (2001)
-
[Publications] H.Matsuda,T.Ando,K.Miyazawa,M.Kuwabara: "Spectroscopic Studies of Rare-Earth-Doped BaTiO3 Luminescent Gels"Proc.of AMEC-1. (in press). (2001)
-
[Publications] 桑原誠: "フロンティアセラミックスが拓く新世紀"工業調査会. 20 (2000)
