2001 Fiscal Year Annual Research Report
高誘電率フォトニック結晶ゲル及びセラミックスの低温合成と電気・光学結合特性
Project/Area Number |
12305042
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桑原 誠 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40039136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 薫一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (60182010)
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Keywords | フォトニック結晶 / ゾルーキャスティング法 / 金属アルコキシド / レジストモールド / 電子線描画法 / 高屈折率透明ゲル / 低温合成 / チューナブル |
Research Abstract |
マイクロモールドを鋳型として、筆者らが独自に開発した高濃度の金属アルコキシド溶液を用いたゾルーキャスティング法による2次元(2D)ゲルフォトニック結晶(500μm×500μm)の作製法と光学特性の評価法の確立を目的として本年度の研究を行った。得られた成果の概要を以下に示す。 1)電子描画装置を用い、Si基板上に形成したレジスト膜(厚さ0.5〜1μm)に500μm×500μmの広さで直径0.5〜1μmの空孔型モールドの作製を行い、TiO_2-ポリエチレングリコール(PEG)ゲルのロッドが三角格子状に規則配列したフォトニック結晶の合成に成功した。また、導波路に用いる線状欠陥を任意の位置に導入したフォトニック結晶の合成にも成功し、本法によるゲルフォトニック結晶の合成法を確立した。 2)得られたTiO_2ゲルフォトニック結晶の可視領域における光学特性を、ハロゲン光源を用いた面外透過法により評価した。この透過法では、フォトニック結晶膜に対するハロゲン光の入射角と透過光の検出角を系統的に変えたときのスペクトルを測定した。その結果、計算によって求められる波長付近において1つまたは2つの顕著なピークをもつスペクトルが測定され、試料がフォトニック結晶としての光学特性を示すことを確認した。また、そのスペクトルに対応した鮮やかな干渉色を示すことも確認した。 3)昨年度構築したYAGレーザー装置を用い、2Dフォトニック結晶の面内にレーザー偏光を透過させる本来のフォトニック結晶評価法による赤外領域での光学特性の評価を試みた。その結果、今回作製した試料については、ゲルのロッド高が低い(<1μm)ため、迷光によるノイズが大きくフォトニックバンドの存在を示すスペクトルは得られなかった。現在、評価法の改善を行っている。 4)高濃度金属アルコキシドの部分加水分解ゾル溶液を用いた電気泳動法を用い、BaTiO_3ゲルフォトニック結晶の新しい合成法の開発を試みた。その結果、数Vの直流電圧の印加により、負電極基板上に厚さ数μmの緻密なゲル膜が形成されることを見出した。形成されたゲル膜はBa/Ti=1の化学量論組成をもつことを、その焼成物のX線回折測定結果から確認した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.S.Yun, K.Miyazawa, H.S.Zhou, I.Honnma, M.Kuwabara: "Synthesis of Mesoporous TiO_2 Thin Film with Hexagonal Pore Structure Using Triblock Copolymer Templates"Adv. Mater.. 13. 1377-1380 (2001)
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[Publications] J.Yanno, K.Miyazawa, M.Kuwabara: "Low Temperature Crystallization of PZT by Using Block Copolymer"Trans. MSJ.. 26[1]. 99-101 (2001)
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[Publications] K.Hamamoto, M.Kuwabara: "Effect of Electric-Field-Induced Polarization on Positive Temperature Coefficient of Resistivity Characteristics of Semiconducting Barium Titanate Ceramics"Jpn. J. Appl. Phys.. 40. L1163-1165 (2001)
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[Publications] J.H.Cho, K.Miyazawa, M.Kuwabara: "Influence of Hydrolysis Water Content on the Microstructure of BaTiO_3 Xerogels Prepared from High Concentration Metal Alkoxide Solutions"J. Sol-Gel Sci. Tech.. 23. 9-14 (2002)
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[Publications] S.Shimada, K.Miyazawa, M.Kuwabara: "An Easy Method for Fabricating TiO_2 Gel Photonic Crystals Using Molds and Highly-Concentrated Alkoxide Solutions"Japan. J. Appl. Phys.. (in print). (2002)
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[Publications] 桑原 誠: "巨大機能物性セラミックス-総論"機能材料. 9[21]. 5-11 (2001)