2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12305051
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
幸田 清一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10011107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 正和 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (90323534)
高見 昭憲 国立環境研究所, 大気化学研究室, 主任研究員 (00262030)
大島 義人 東京大学, 環境安全研究センター, 助教授 (70213709)
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Keywords | レーザー反応工学 / レーザー光応用 / 低温結晶 / 多ホノン過程 / 超臨界二酸化炭素 / 金微粒子 / 半導体コロイド / 氷表面 |
Research Abstract |
1.本研究は、レーザー光の有する単色性、指向性、高いエネルギー密度と輝度などの特色を生かした反応工学を構築することを目的とする。すなわち個別の検討を進めつつ、全体として、レーザー反応工学の基盤を明確にし、発展の基礎を確立する。本年度は、各項目について以下のような成果を得た。 2.固相など、新たな反応場を対象とした反応工学の展開:透明な希ガス結晶中に硫化水素をドープし、硫化水素分子間の水素結合によるスペクトルの大幅なシフト、それに対する希ガス媒体の効果を量子化学計算と対応して明らかにした。酸素分子についてb励起状態の振動緩和過程を発光スペクトルから解析し、多ホノン過程による機構を明らかにした。 3.凝縮相におけるレーザー光励起反応を対象とした反応工学の展開:超臨界の二酸化炭素中の酸素分子の解離過程は、酸素分子の結合解離エネルギーより長波長側で可能であることに対し、回転エネルギーによる効果と、反応に対する媒体としての二酸化炭素の安定化の効果を定量的に検討した。 4.界面におけるレーザー光応用の方法論の展開:(1)金イオン溶液に対して光還元によって粒子発生が可能であること、さらに粒子径の制御も可能であることを示した。半導体コロイド溶液においてもレーザー光照射により、瞬時に進行する熱の局所的吸収とアブレーション、分裂した断片コロイド粒子の再結合によってレーザー光照射下の粒子径が制御されることを示した。(2)低温の氷表面に吸着したN_2O_4に対する193nm ArFレーザー光照射を検討し、吸着したN_2O_4と氷の吸着相互作用の程度の差によって、光解離したあと気相に最終的に脱離するNO_2、NO、O原子などの量的な比率と、それらが有する並進遅動エネルギーが氷との相互作用の影響を受けることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Masakazu Sugiyama: "Size and shape transformation of TiO_2 nanoparticles by irradiation of 308-nm laser beam"Jpn.J.Appl.Phys.. 41. 4666-4674 (2002)
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[Publications] Hideji Tsujii: "IR spectra of hydrogen bonding of H_2S doped in Kr solids"Chem.Phys.. 285. 319-326 (2002)
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[Publications] Kenji Takizawa: "Emission spectra and relaxation mechanism of b state O_2 in low temperature Ar solids"Bull.Chem.Soc.Japan. 75. 2137-2145 (2002)
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[Publications] Kazuko Sugimoto: "Wavelength dependence of the primary ozone formation in high pressure O_2 and O_2/CO_2 mixtures under the irradiation from 232 to 255nm"J.Phys.Chem.A. (in press).
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[Publications] Akio Susa: "Photochemistry of N_2O_4 adsorbed on ice surface at 193nm"J.Atmospheric Chemistry. (in press).