2002 Fiscal Year Annual Research Report
光電変換インターカレータ分子による遺伝子検出とDNAアレイ法への展開
Project/Area Number |
12305054
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高木 誠 九州大学, 工学研究院, 教授 (90037739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野島 高彦 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (00291930)
竹中 繁織 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (60188208)
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Keywords | 光電流 / 遺伝子検出 / DNAチップ / インターカレータ / ルテニウム錯体 / 縫い込み型 |
Research Abstract |
本研究では、光電変換という全く新しい手法によるDNA検出の基礎技術の確立を目指すとともに、さらなる高感度化をはかる。DNAの検出は原理的には、ターゲットDNAとそれに相補的なDNAプローブによる二本鎖の特異的形成を利用する。 初年度は光電変換インターカレータとしてRu(bpy)_2dppzを合成して用いたが、2年目以降はより二本鎖選択性を高めるために、ルテニウム錯体を分子内に含む縫い込み型インターカレータを設計した。このような化合物はDNAインターカレート部位の両側にかさ高い置換基を有するために、いったん二本鎖DNAに結合すると解離速度が著しく遅くなる。ナフタレンジイミドを基本骨格とし、2つのイミドN原子からエチレングリコール鎖を含むリンカーを介して、アミド結合によりRu(bpy)_3型のルテニウム鎖体をつないだNDI-Ru_2を合成した。 一本鎖および二本鎖DNA存在下でNDI-Ru_2に可視光を照射したところ、NDI-Ru_2の光分解が起こったが、420nm以下の波長をカットすることにより、この分解は抑えられた。しかし同時に一本鎖と二本鎖の識別能も低下したため、最適な波長として380nm〜450nmの光を照射することとした。他のルテニウム錯体と二本鎖検出能を比較したところ、Ru(bpy)_3では二本鎖形成時の光電流増幅はまったく見られなかったが、Ru(bpy)_2dppzでは36%の増幅が見られた。さらにNDI-Ru_2を用いた場合、86%の電流増幅が起こった。NDI-Ru_2が高い電流増幅能を持っていることは、縫い込み型であることと同時に、分子内電子移動反応により効率が高まっていることによると考えている。
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[Publications] K.Yamashita, M.Takagi, H.Kondo, S.Takenaka: "Electrochemical detection of nucleic base mismatches with ferrocenyl naphthalene diimide"Analytical Biochemistry. Vol. 306. 188-196 (2002)
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[Publications] H.Miyahara, K.Yamashita, M.Kanai, K.Uchida, M.Takagi, H.Kondo, S.Takenaka: "Electrochemical analysis of single nucleotide polymorphisms of p53 gene"Talanta. Vol. 56. 829-835 (2002)
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[Publications] S.Sato, T.Nojima, M.Takagi, H.Kondo, S.Takenaka: "Synthesais of adamantly naphthalene diimide and its interaction with double stranded DNA"Nucleic Acids Research Supplement. 2. 213-214 (2002)
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[Publications] S.Fujii, N.Okimoto, T.Ebisuzaki, T.Nojima, M.Takagi: "Molecular dynamics investigation of the double stranded oligonucleotide d(AT)6d(AT)6"Nucleic Acids Research Supplement. 2. 175-176 (2002)
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[Publications] H.Torigoe, S.Sato, K.Yamashita, S.Okiba, T.Imanishi, S.Takenaka: "Binding of threading intercalator to nucleic acids : Thermodynamic analysis"Nucleic Acids Research Supplement. 2. 55-56 (2002)
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[Publications] S.Takenaka: "Small Molecule DNA and RNA Binders : From Synthesis to Nucleic Acid"Wiley-VCH. 23 (2003)