2001 Fiscal Year Annual Research Report
生命科学への展開を目指した新世代人工複合糖質高分子の設計
Project/Area Number |
12305059
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 一清 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10023483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 佳子 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (00335069)
西田 芳弘 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80183896)
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Keywords | 炭水化物 / 生体機能材料 / 高分子物質 / 分子認識 / DNA |
Research Abstract |
プラスミド(pTRI-β-ACTIN-MOUSE,pQBI T7 sgGFP Vector)とラクトース誘導体とのコンジュゲート(糖導入率約10%)を合成した。このコンジュゲートはラクトース結合性レクチン(RCA_<120>)と複合体を形成することが、ゲルシフトアッセイおよび表面プラズモン共鳴(SPR)測定により確認され、その結合定数はラクトースあたりで2.4〜7.5×10^5M^<-1>であった。 β-actinプラスミド-ラクトースコンジュゲートのin vitro転写、およびsgGFPプラスミド-ラクトースコンジュゲートのin vitro遺伝子発現に対するRCA_<120>の添加効果を調べた。転写レベルを転写されるmRNAの電気泳動によるバンドの濃さとして観察した。RCA_<120>はnative plasmidの転写および発現に対してはほとんど影響を及ぼさないのに対し、コンジュゲートの転写・発現は抑制することが分かった。 次にこのレクチンによる転写・発現抑制系にシグナルとしてラクトースを加えることにより、転写・発現が誘導されるかどうかを検討した。ラクトースもしくはラクトース担持リポソーム、ラクトース担持ポリマー(PVLA,PNLac)を1mM-Lac加えることにより転写・発現がnative plasmidの値近くまで誘導されることが分かった。 抑制・誘導の過程におけるコンジュゲートとレクチンとの複合体構造をAFMおよびTEMにより詳しく観察した。その結果、抑制条件においてコンジュゲートとレクチンとは複数分子同士の大きな複合体を形成していることが分かった。さらに、非抑制条件下では複合体構造が緩んでいる様子も観察された。このことからコンジュゲートとレクチンとは複雑な複合体を形成することで遺伝子発現は抑制され、ラクトースなどの添加によりその結合が緩和され、遺伝子発現が誘導されるということが考えられる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K.Matsuura: "Construction of Glyco-clusters by Self-organization"J. Am. Chem. Soc. 123. 357-358 (2001)
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[Publications] T.Akasaka, K.Matsuura: "Transformation from Block-type to Graft-type"Bioconjugate Chem.. 12. 776-785 (2001)
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[Publications] M.Goto, K.Kobayashi: "Micellar behavior of sugar-carrying polystyrene"Macromol. Chem. Phys. 202. 1161-1165 (2001)
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[Publications] Y.Nishida, H.Uzawa: "A facile synthetic approach to L- and P-Selection"Biomacromolecules. 1. 68-74 (2000)
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[Publications] T.Hasegawa, K.Matsuura: "Multilayer Adsorption of Molecular Organization"Macromolecular. 33. 2772-2775 (2000)
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[Publications] K.Matsuura, H.Kitakoji: "A Quantitave Estimation of Carbohydrate"J. Am. Chem. Soc. 122. 7406-7407 (2000)
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[Publications] 松浦和則, 小林一清: "次世代高分子設計"アイシービー. 613 (2000)