2000 Fiscal Year Annual Research Report
摂食行動に関与する新規神経ペプチドオレキシンの生理作用に関する研究
Project/Area Number |
12307002
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
後藤 勝年 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (30012660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 一葉 筑波大学, 社会医学系, 講師 (10229453)
三輪 佳宏 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (70263845)
桜井 武 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (60251055)
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Keywords | オレキシン / OXI受容体 / OX2受容体 / 摂食行動 / ナルコレプシー / 覚醒 |
Research Abstract |
本年度は、プレプロオレキシン、OX1受容体、OX2受容体各遺伝子をノックアウトさせたマウスを作成した。また、ヒトオレキシン遺伝子プロモータを用いて、神経変性疾患のひとつであるMachado-Joseph病の原因遺伝子のcDNAのうち、ポリグルタミンリピートをオレキシン神経特異的に発現させることにより、オレキシン神経を特異的に除去したマウスを作成した。これらのマウスは摂食行動および、睡眠覚醒の制御に異常を呈することが明らかになり、とくにプレプロオレキシン欠損マウス、OX2受容体欠損マウス、オレキシン神経除去マウスでは、ナルコレプシー様の睡眠障害を呈した。このことから、オレキシン系は摂食行動の制御、睡眠覚醒の制御に重要な役割をもっていると考えられる。 一方、薬理学的な実験により、オレキシンは脳内の各種モノアミン系を制御し、覚醒状態、自発運動、摂食行動に影響を及ぼすことが明らかになった。また摂食行動に関しては、一部ニューロペプチドY含有神経の活性化を介することが明らかになった。 組織学的な解析により、オレキシン神経と各モノアミン神経系との関係を明らかにした。さらに、オレキシン受容体の脳内組織分布を検討し、オレキシンの投射部位とあわせてオレキシン系の構造的な全貌が明らかになってきた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nakamura T.: "Orexin-induced hyperlocomotion and stereotypy are mediated by the dopaminergic system."Brain.Res.. 873. 181-187 (2000)
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[Publications] Yamanaka A: "Orexin-induced food intake involves neuropeptide Y pathway."Brain.Res.. 24. 404-409 (2000)
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[Publications] Yamanaka A.: "Chronic intracerebroventricular administration of orexin-A to rats increases food intake in daytime, but has no effect on body weight."Brain.Res.. 849. 248-252 (1999)
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[Publications] Sakurai T.: "Structure and function of human prepro-orexin gene."J.Biol.Chem.. 274. 17771-17776 (1999)
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[Publications] Nambu T.: "Distribution of Orexin Neurons in the Adult Rat Brain."Brain Res.. 827. 243-260 (1999)
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[Publications] Sakurai T.: "Orexins and orexin receptors : A family of hypothalamic neuropeptides and G protein-coupled receptors that regulate feeding behavior."Cell. 92. 573-585 (1998)