2002 Fiscal Year Annual Research Report
WASPファミリー蛋白質によるダイナミックな細胞骨格再編
Project/Area Number |
12307003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹縄 忠臣 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40101315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 俊樹 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30313092)
深見 希代子 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (40181242)
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Keywords | 神経突起 / N-WASP / チロシンキナーゼ / ユビキチン化 |
Research Abstract |
WASPファミリータンパク質にはN-WASP, WASPとWAVE1-3の5種類存在する。これら全てのタンパク質がC-末に存在するVCA領域を介してArp2/3複合体を活性化して、アクチンの重合を引き起こす。我々はN-WASPがCdc42の下流にあって糸状仮足を形成するのに対し、WAVEはRacの下流にあって葉状仮足を形成することや、N-WASPが神経突起形成に必須であることなどを明かにしてきた。更に、N-WASPの活性化機序として、Cdc42とPIP2が結合すると、VCA領域が露出しArp2/3とアクチンが結合できるようになることを示した。一方、神経突起形成にはSrcファミリーのチロシンキナーゼが重要な役割を果たしていることはすでに証明されている。そこでSrcファミリーキナーゼによるN-WASPのリン酸化と神経突起形成の関係を調べた。N-WASPはSrcファミリーのFynによってY253がリン酸化された。リン酸化されたN-WASPはArp2/3複合体の活性化を生じアクチンの重合を促進した。Y253をグルタミン酸で置換したN-WASPを神経細胞に発現させると突起形成を起した。一方リン酸化されたN-WASPはユビキチン化をうけ急速に分解された。しかしNGFのような神経の分化(神経突起形成)を促進する因子で刺激すると、その分解は抑制されリン酸化N-WASPは蓄積した。反対に、細胞を分化しない増殖条件に置くとリン酸化N-WASPは急激に分解した。これらの結果から神経突起形成はチロシンリン酸化によって引き起こされるN-WASPの活性化と分解のバランスによって調節されていることが分った。
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[Publications] Suetsugu, S., Hattori, M., Miki, H., Tezuka, T., Yamamoto, T., Mikoshiba, K., Takenawa, T.: "Sustained Activation of N-WASP through Phosphorylation Is Essential for Neurite Extension"Dev Cell. 3. 645-658 (2002)
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[Publications] Abe, T., Kato, M., Miki, H., Takenawa, T., Endo, T.: "Small GTPase Tc10 and its homologue RhoT induce N-WASP mediated long process formation and neurite outgrowth"J. Cell. Sci. 116. 155-168 (2003)
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[Publications] Otsuki, M., Itoh, T., Takenawa, T.: "N-WASP is recruited to rafts and associates with wndophilin A in response to EGF"J. Biol. Chem.. 278. 6461-6469 (2003)