2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12307004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡山 博人 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40111950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神野 茂樹 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10251224)
永田 昭久 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50155933)
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Keywords | 分裂酵母 / 姉妹染色分体結合 / G2-M制御 / チェックポイント制御 / Cdc2 / Wee1 / Cdc25 |
Research Abstract |
高等生物に近いとされる分裂酵母をモデル実験系として、細胞周期の制御機構の研究を推進している.昨年に引き続き姉妹染色分体結合の形成機構の解明に著しい進展があった.我々が昨年度、一昨年度に同定した新規因子で、姉妹染色分体結合の形成に中心的な役割を果たすEso1、Pds5(旧名Emc1)並びにコヒーシンとの相互作用の関係が明らかになった。詳細な解析の結果、Pds5はコヒーシンの新規サブユニットで、それ自身は、姉妹染色分体結合形成を抑えるが、一旦形成されるとこの結合を安定化する作用がある。DNA複製が進行すると、Eso1のC末端ドメインが直接Pds5に作用し、Pds5自身による姉妹染色分体結合形成の阻害を取り除くことによって姉妹染色分体結合を促すことが判明した。このようにファスナーに似た機構で姉妹染色分体結合が形成され維持される仕組みは、姉妹染色分体間且つその全領域で姉妹染色分体結合が起こることを保障するために存在すると推測される。 一方、細胞分裂開始制御機能に関しても、新しい知見が得られた。この制御には、Cdc2キナーゼのチロジンリン酸化が深くかかわっていることが示されている。しかし、Cdc2キナーゼのアミノ酸置換変異体の作成過程で、この変異体を持った分裂酵母は、この残基をリン酸化するWee1/Mik1キナーゼやCdc25フォスファターゼを必要とせず生存でき、細胞周期チェツクポイントも正常であることが判明した。このことは、チロジンリン酸化による制御とは別に、これまで存在が気づかれなかったきわめて重要なCdc2キナーゼの制御機構が存在することを示唆している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Jinno, S. et al.: "Oncogenic cell cycle start control"Mut. Res.. 477. 23-29 (2001)
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[Publications] Lin, J. et al.: "Cyclin D3-Cdk6 complex evades inhibition by inhibitor proteins and uniquely controls cell's growth competence"Oncogene. 20. 2000-2009 (2001)
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[Publications] Tanaka, K. et al.: "Establishment and maintenance of sister chromatid cohesion in fission yeast by a unique mechanism"EMBO J.. 20. 5779-5790 (2001)
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[Publications] Tsukahara, K. et al.: "Anticancer agent e7070 inhibits amino acid and uracil transport in fission yeast"Mol. Pharmacol. 60. 1254-1259 (2001)
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[Publications] Isobe, H. et al.: "Synthesis and transfection capability of multi-functionalized fullerene Polyamine"Chem. Lett.. 12. 1214-1215 (2001)
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[Publications] Jinno, S. et al.: "Cdc6 requires anchorage for its expression"Oncogene. (in press).