2002 Fiscal Year Annual Research Report
脳と免疫系の相互反応とその老化に伴う変化に関する実験病理学的研究
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12307006
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
廣川 勝いく 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00014093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 昌伸 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10177834)
池田 通 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (00211029)
宇津山 正典 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70167287)
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Keywords | 脳 / 免疫系 / サイトカイン / サイトカイン受容体 / 感染 / 免疫機能回復 / 胸腺 / GMF |
Research Abstract |
免疫系は感染防御系の中核として働くが、その時、神経・内分泌系も反応し、免疫系と連動して機能する。抗原刺激に対して免疫系の細胞は様々なサイトカインを産生すると共に、それらの受容体の発現も冗進する。この時、神経系においてもサイトカイン受容体の発現亢進が起こり、免疫系で産生されたサイトカインは神経系の細胞にも作用し、それは視床下部-下乗体-副腎を介する抗ストレス機構を起動することになる。 老化と共に免疫系の生体防御機能は低下する。しかし、サイトカイン産生とその受容体で見ると、サイトカインの種類と免疫細胞のサプセットにより、低下するばかりでなく、亢進するものもあり、その変化は様々である。脳におけるサイトカイン受容体の発現も加齢変化するが、その変化は脳の揚所やサイトカイン受容体の種類によりこの場合も様々である。 免疫系のサイトカイン産生の変化と脳におけるサイトカイン受容体発現の加齢変化は、脳と免疫系の相互反応の加齢変化をもたらす。感染に際して、老齢個体では視床下部-下垂体-副腎軸の抗ストレス反応が若齢個体と同じ様に機能しない事が、防御能力低下の一因となっていることを明らかにしてきた。 平成14年度には免疫機能の回復方法をいろいろな動物モデルで検討した。即ち、低容量の抗ガン剤「シクロフォスファミド」、ヴィタミンE、運動とカロリー制限、ワクチン、経口免疫、漢方補剤、組織・細胞の移植などについて検索した。その結果加齢により低下した免疫機能はある程度回復可能であることが分かった。 もう一つは、免疫機能の加齢に伴う低下の始まりとなる胸腺萎縮における胸腺環境内の因子の探索を行った。その結果、胸腺上皮の産生するGlia maturaton factor(GMF)がT細胞分化に重要な役割を果たし、その加齢に伴う低下が胸腺萎縮の一因となっていることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Utsuyama M., Hirokawqa K.: "Differential expression of various cytokine receptors in the brain after stimulation with LPS in young and old mice"Exp. Gerontology. 37. 411-420 (2002)
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[Publications] Utsuyama M., Hirokawqa K.: "Age/sex dependent and non-monotonous dose response effect of Diethylstilbestrol on the immune function in mice"Toxicology Letters. 135. 145-153 (2002)
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[Publications] Hirokawa K.: "Animal models and possible human application of immunological restoration in the elderly"Mech. Ageing Develop.. 123. 1055-1063 (2002)
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[Publications] Tanaka K., Hirokawa K.: "Incidence of apoptosis increases with age in colorectal cancer"Exp. Gerontol.. 37. 1469-1487 (2002)
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[Publications] Fujisaki C., Hirokawa K.: "An immunosuppressived drug, cyclosporine A, acts like as an anti-depressant for rats under unpredictable chronic stress"J. Med. Dent, Sci.. (in press).
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[Publications] Utsuyama M., Hirokawqa K.: "Glia maturation factor produced by thymic epithelial cells plays a role in T cell differentiation in the thymic microenvironment"Int. Immunol. (in press).