2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12307009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大岡 静衣 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80313097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鴨下 信彦 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90302603)
久下 周佐 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50186376)
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Keywords | ポリオウイルス / ポリオウイルスレセプター / 軸索輸送 / 逆行性モーター蛋白質 / clathrin adaptor complex |
Research Abstract |
これまでに、ポリオウイルス(PV)には神経軸索内の逆行性軸索輸送によって細胞体へ輸送され神経病原性を発現する経路が存在することが明らかになっている。PVレセプター(PVR)にPVが結合しシナプスからエンドサイトーシスされてできた小胞が、逆行性モーター蛋白質ダイニンによって逆行性輸送される仮説が考えられている。このメカニズムを解明する糸口として、神経細胞と同様の極性細胞におけるPVの感染初期過程およびPVRの役割を解析した。 まず生細胞における小胞輸送の高速度撮影実験系を確立した。この技術と免疫染色法により、以下の結果を得た。PV感染直後、PVはearly,late endosome内にPVRと局在していた。PV非感染下においてもPVRはearly,late endosomeに局在するがlysosomeとの局在は認められなかった。したがって、PVRはPV感染・非感染に関わらずエンドサイトーシスされていること、及びPVはPVRとともにエンドソーム内に取り込まれlate endosomeまでは輸送されていることが示された。また、核-細胞質間輸送を検討するための実験系を確立した。 PVRには膜結合型アイソタイプとしてαとδがある。αはヒト以外の細胞において細胞毒性があった。αの細胞質内ドメインには、clathrin adaptor complexが結合するアミノ酸モチーフが存在する。また、αとδは逆行性モーター蛋白質ダイニンのサブユニットに結合することから、これらのアイソタイプはヒト細胞内において、PV感染・非感染時に機能的に役割分担し小胞輸送している可能性が考えられる。さらに、ヒトではαの毒性が観られないことから、高等な動物にのみ存在する機能を本来αが担っている可能性が考えられる。
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[Publications] Murakami K., et.al.: "Down regulation of translation driven by hepatitis C virus internal ribosomal entry site by the 3' untranslated region of RNA."Arch.Virol.. (in press). (2001)
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[Publications] Naganuma,A., et.al.: "GFAT as a Target Molecule of Methylmercury Toxicity in Saccharomyces cerevisiae."FASEB J.. 14. 968-972 (2000)
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[Publications] Furuchi,T., et.al.: "Two nuclear proteins, Cin5 and Ydr259c, that confer resistance to cisplatin in Saccharomyces cerevisiae."Mol.Pharmacol.. (in press). (2001)
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[Publications] Isoyama,T., et.al.: "Nuclear Import of yeast AP-1 like factor is mediated by the transport receptor Pse1p/Kap121p, and this import step is not affected by oxidative stress."J.Biol.Chem.. (in press). (2001)
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[Publications] 久下周佐: "バイオサイエンスの新世紀 第5巻酸化ストレス・レドックスの生化学-核外輸送のレドックス制御"日本生化学会編集 共立出版(編集委員;谷口直之,淀井淳司). 9 (2000)