2002 Fiscal Year Annual Research Report
DNAチップを利用した有害化学物質代謝動態の早期検出法の開発
Project/Area Number |
12307010
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大前 和幸 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60118924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 宏 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80217710)
西脇 祐司 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40237764)
武林 亨 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (30265780)
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Keywords | DNAチップ / 種差 / トリクロロエチレン / 初代培養幹細胞 / 発現プロファイル |
Research Abstract |
本年度は主に初代培養肝細胞を用いたin vitro実験を行った。ヒトは国内での入手が困難であるためアメリカより輸入する。まず、マウスで85%以上のviabilityがある細胞を分離し、3日以上の培養に耐え、チトクローム系酵素の代謝活性が保たれる実験系を構築した。 TCE in vitro実験の曝露条件を決定するにあたり、in vivo実験で曝露によって遺伝子発現が変化し、その変化が既知の知見から妥当なチトクローム系酵素、及びペルオキシゾーム関連酵素等の遺伝子を検討対象とした。マウスの初代培養肝細胞を曝露濃度・時間を振り、TCEに曝露し、得られたRNAを定量PCR法によって半定量した。5mM TCEに曝露させると、24時間後にはほぼ3倍のCYP2E1遺伝子発現増加が観察された。また、in vivo実験で発現の増加が確認されたCYP2A4が5mM TCE曝露で24時間後に2倍以上の増加を示し、チトクローム系酵素の誘導が遺伝子レベルで観察される曝露条件を見出すことが出来た。現在はマウスの初代培養肝細胞を用いて、遺伝子発現プロファイルを得ているところである。 種間の比較をするためのDNAチップに含まれている全ての遺伝子、ESTの相同遺伝子を検索するプログラムを開発した。遺伝子の相同性はアミノ酸配列で求め、相同遺伝子が複数個見つかった場合には、e-value、scoreが最も高くかつAffymetrix社のDNAチップ上に存在している遺伝子プローブを一つだけ決定した。このプログラムを用いて、昨年度実施のTCE in vivo実験で有意差があった遺伝子の相同遺伝子を検索し、マウスとラットの遺伝子が1対1に対応する遺伝子発現プロファイルを作成、クラスター解析を行ったところ、マウスとラットはほぼ明確に区別された。 また、TCE in vivo実験で有意な変化を示したラットEST UI-R-A0-av-d-03-0-UI(低下、以下UI-03)、UI-R-C0-ig-h-06-0-UI(亢進、以下UI-06)を購入、シークエンスを行った。UI-06はheat shock protein27、UI-03はproteoglycan core proteinと考えられた。
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