2002 Fiscal Year Annual Research Report
老化抑制遺伝子Klothoの骨軟骨および脊髄疾患における関与-ヒトKlotho遺伝子cSNPsとアデノウイルスベクターを用いた検討-
Project/Area Number |
12307031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 栄 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50282661)
星地 亜都司 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70236066)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40282660)
永井 良三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60207975)
小柳 清光 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (00134958)
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Keywords | Klotho / 遺伝子解析 / 老化 / 骨 / 脊髄 / 神経 / 筋肉 |
Research Abstract |
1.骨軟骨疾患への関与:現在までの研究で、ヒトklotho遺伝子プロモーター領域のSNPである-395G->Aが人種差を超えて高齢女性において骨密度と有意な相関を示すことを報告したが、本年度はゲルシフトアッセイによって、このG->A変異は核内転写因子との結合能に影響を及ぼすことを明らかにした[J Bone Miner Res 17:1744,2002]。このG->A置換はklothoの発現効率に大きな変化を及ぼさなかったが、この近傍でdeletion studyを行ったところ、-410と-370の間で有意なルシフェラーゼ活性の低下が見られた(p=0.04)。以上より、この領域がklothoの上流シグナルの反応部位であることが明らかとなった。 2.脊髄疾患への関与:昨年までに引き続いて、klothoマウスの脊髄前角細胞、前根と骨格筋の詳細な検討を行った。Klothoマウスの脊髄前角細胞は大きさが小型であったが脊髄前根の軸索の太さは野生型と差が無く、軸索の太さは必ずしも神経細胞体の大きさと相関しないことが明らかとなった。また、klothoマウスの骨格筋の筋線維は小径であったが、神経原性、筋原性、いずれの変性所見も認められなかった。このことは、klothoマウスの骨格筋がprimaryの発達障害によって小径のまま止まっていることを示唆するものと言える。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nashi Ogata: "Association of bone metabolism regulatory factor gene polymorphisms with OPLL of the spine"Spine. 27. 1765-1771 (2002)
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[Publications] Nashi Ogata: "Association of klotho gene polymorphism with bone density and spondylosis of the lumbar spine in postmenopausal women"Bone. 31. 37-42 (2002)
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[Publications] Ken-ichi kawano: "Klotho gene polymorphisms associated with bone density of aged postmenopausal women"J Bone Miner Res.. 17. 1744-1751 (2002)
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[Publications] 川口 浩: "Reverse & forward geneticsからの骨軟骨疾患へのアプローチ-老化による骨粗鬆化メカニズムの解明をめざして-"整形外科. 53・12. 1569-1579 (2002)
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[Publications] 川口 浩: "老化による骨粗鬆化の分子メカニズム"生体の科学. 53・5. 490-496 (2002)
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[Publications] Kawaguchi, H., Nkamura, K., et al.: "Mutation in aging suppressor gene, klotho, causes decreases in bone formation and resorption in mice"Connect Tissue Res. 32. 295-301 (2000)