2001 Fiscal Year Annual Research Report
コンポジットレジンの重合収縮が修復治療に及ぼす影響とその対策に関する研究
Project/Area Number |
12307043
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
新海 航一 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (90147843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石崎 裕子 新潟大学, 歯学部・附属病院, 助手 (60303161)
池田 考積 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90222885)
吉川 孝子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合科研究科, 助手 (00182733)
久保 至誠 長崎大学, 歯学部, 講師 (80145268)
池見 宅司 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (80102565)
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Keywords | コンポジットレジン / 重合収縮 / 光照射法 / 重合収縮応力 / エナメル質亀裂 / 低粘性レジン / コントラクションギャップ / 辺縁封鎖性 |
Research Abstract |
吉川は、Step照射法とRamp照射法はレジンの曲げ強さを減少させずに、光重合型レジン修復物の辺縁封鎖性を有意に向上させることを、新海は、窩洞に充填したレジンを1000mW/cm^2〜1600mW/cm^2の出力で光重合させた場合、1000mW/cm^2の出力が他の出力より良好な窩壁適合性を示すことを明らかにした。宮崎は、高出力照射器を用いて短時間照射した場合、従来法と比較して重合収縮率は有意に減少したが、これは不十分な重合が原因である可能性を示唆した。久保は、有限要素法を用いた応力分布解析により低粘性レジンによる応力緩和効果を確認し、池見は、弾性率が小さく流動変形が大きい低粘性レジンは、収縮応力も有意に小さいことから、臨床での有効性を示した。田村は、トンネル窩洞レジン修復物の辺縁漏洩を検討し、隣接面直接照射は漏洩抑制効果があるが、頬側照射にはないことを報告した。池田は、レジンのエナメル質に対する微小接着強さは、小柱方向が平行に近い場合、約10Mpaであること、石崎は、5級レジン修復物の辺縁部エナメル質の亀裂発生率は、高出力照射、Slow-start curingならびに従来の照射法の間に有意差はないことを示した。宇野は、ガラス製窩洞の窩底部における光照射中のレジン収縮量をレーザー測定器により検討し、稲井は、X線マイクロCT装置を用いて非接着窩洞内における光重合型レジンの重合収縮を測定し、窩洞内の位置およびゲルポイントが収縮挙動に影響することを確認した。松井は、ホログラフィー二重露光法を用いてレジン修復歯の重合収縮による平均歪み量を測定し、可視光線照射器では3.84μm、LED照射器では1.49μmであることを、松澤は、試作LED照射器で各種光重合型材料の硬化試験を行い、硬化しない製品もあることを報告した。冨士谷は、レーザー処理された象牙質面では、破壊コラーゲン線維を含む無構造な層がレジンとの接着を著しく阻害している可能性を示唆した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Yoshikawa, M.F.Burrow, J.Tagami: "A light curing method for improving marginal sealing and cavity wall adaptation of resin composite restorations"Dental Materials. Vol 17 No 4. 359-366 (2001)
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[Publications] T.Yoshikawa, M.F.Burrow, J.Tagami: "The Effects of Bonding System and Light Curing Method on Reducing Stress of Different C-factor Cavities"The Journal of Adhesive Dentistry. Vol 3 No 2. 177-183 (2001)
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[Publications] 海野亜由子, 吉川 孝子, 山口佐緒理, 田上 順次: "出力漸増型光照射法によるレジン修復物の辺縁封鎖性の向上効果について"接着歯学. 17巻2号. 102-109 (2001)
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[Publications] 稲井紀通, 田代浩史, 安江透, 田上順次: "フローアブルレジンを応用したレジンコーティング法による歯冠色修復物の接着"日本歯科評論. 706巻. 151-156 (2001)
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[Publications] 石崎裕子: "高エネルギー迅速照射が光重合型コンポジットレジンの硬化特性と修復物窩縁部エナメル質の亀裂発生に及ぼす影響"日本歯科保存学会雑誌. 44巻1号. 64-77 (2001)
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[Publications] 神谷直孝, 本谷敏樹, 森 俊幸, 鈴木英明, 平山聡司, 河野善治, 池見宅司: "審美修復材料の重合収縮応力に関する研究"日本歯科保存学会雑誌. 44巻4号. 716-724 (2001)
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[Publications] 藤林久仁子: "青色発光ダイオードを応用した照射器に関する研究"日本歯科保存学雑誌. 44巻5号. 796-801 (2001)